我々の日常に息づいているデザインについて考察した書籍です。

デザインとは技能ではなく物事の本質をつかむ感性と洞察力によるものである、という点を軸に語られており、その考え方はビジネスパーソンとしてだけでなく、一人の人間として感受性を高めたり人生を豊かにする生き方を学べます。

商品開発・クリエイティブを初めて担当する際に再読しました。

小手先のデザインのハウツーやノウハウではなく、もっと根本にある人間の原理原則や、日本人が感じる美の定義など、デザインを通じた人の心との向き合い方を学び、目先の利益に惑わされない本質的なアウトプットが実現できたと認識しています。

「新奇なものをつくりだすだけが創造性ではない。見慣れたものを未知なるものとして再発見できる感性も同じく創造性である。」という文章が心に刻まれています。

日常の未知化という視点を獲得することにより、手つかずのままの鉱脈が無限に広がっている世界が見えるようになりました。

新規事業に悩んでいる人たちに特におすすめです。

プロダクトライフサイクルの衰退期に入っていると自分では思い込んでしまっているような製品やサービスも、実はその視点を変え、新たな再定義をすることで、全く違う意味がある事業になる可能性を秘めています。