国家の栄枯盛衰を俯瞰できると同時に、歴代皇帝をはじめとした各人物の心理や行動も描かれており、当時を生きたリーダーの苦悩や意思決定を垣間見えます。

私達の時代の生き方に昇華することは簡単ではありませんが、当時の為政者を追体験することは確実に役立ちます。

「長く存続する企業とは」

「長い視点での投資の意思決定とは」

「起きている事象をより長いタイムフレームで巨視的に見るにはどうすればいいか」

このような問いに対して、リーダーや投資家が思考する際に役立ちます。

一朝一夕で身につくものではありませんが、この本は血肉の一つになると思います。

数多くあります。例えば、ローマ帝国が安定した時代の皇帝の一人であるトラヤヌスは、領土を最大に拡大し、公共事業に力を注いだことで知られます。

彼のリーダーシップは「成功するリーダーは、後世に残すインフラを構築すること」という教訓を示しています。

これは理想のリーダー像の1つだと思います。

過去の巨大なシステムの成功と失敗を通じて、現代の人間に「何をすべきか」「何を避けるべきか」を教えてくれる1冊です。

大局観を養い、長期的な視野で行動したい人にぜひ手に取ってほしい名著です。