2024/05/24
ベストプラクティスとは、最善の方法、事例のことです。激しい変化のなかでビジネスを成長させるためには、最良の手法を取り入れ、業務やプロセスを改善することが必要不可欠です。今回は、正しい意味や使い方、同義語について解説します。
ベストプラクティスとは、現時点で考えられる最善の方法、事例のことです。ビジネスシーンでは、結果を得るために最も効率がよく、最も優れた手法や事例という意味で使われます。ベストプラクティスの語源は、英語の「best」(最善の・最良の)と、「practice」(実践、実行、練習)で、英語でも同じ意味を持ちます。
ベストプラクティスはさまざまな使われ方をされており、厚生労働省が実施する過重労働解消キャンペーンでは、働き方改革に積極的に取り組んでいると認定した企業を「ベストプラクティス企業」と呼んでいます。働き方改革を推進するための優良事例という意味でベストプラクティスが造語として使われています。
また、経済産業省は、ダイバーシティ経営によって成果をあげている企業を「ダイバーシティ経営企業100選」として表彰しており、受賞企業の事例を「ベストプラクティス集」として紹介しています。このように、一定の成果をあげた取り組みを事例集としてまとめる際にもベストプラクティスという言葉が使われることがあります。
今回は、ベストプラクティスの使い方や導入するメリットについて解説していきます。
この事例をベストプラクティスとして社内に共有しよう!
(ベストプラスチック…?)
プラスチックじゃなくて「プラクティス」!ベストプラクティスというのは、最善の手段や成功事例のことだよ。
ベストプラクティスは現時点で考えられる最も効率的な方法や、成功事例を指します。ベストプラクティスはさまざまなビジネスシーンで出てくるため、正しい意味や使い方を押さえておきましょう!
ベストプラクティスはさまざまなビジネスシーンで使われます。場面ごとの使い方やニュアンスの違いを覚えておきましょう。
先ほども述べたように、ベストプラクティスは、主に「最善の手段」「最良の事例」という2つの意味があります。手段と事例の意味に分けて例文をご紹介しましょう。
<手段という意味での例文>
ちなみに、ERPとはEnterprise Resource Planningの頭文字を取った略称で、「企業資金計画」のことです。具体的には、組織の人、モノ、情報、資金といった資源を1つにまとめて管理し、経営の効率化を図るシステムをいいます。
<事例という意味での例文>
技術分野でのベストプラクティスは業界標準を意味することがあります。業界標準とは、広く普及し、業界内で標準的となっているサービスや製品、規格のことです。技術分野での例文は以下の通りです。
医療業界でのベストプラクティスは、患者にとって最も効果的な治療方法や適切な診断を意味します。医療業界での例文は以下の通りです。
ベストプラクティスには似た用語が複数存在します。意味の違いをしっかり理解しましょう!
ベストプラクティスの類義語に、グッドプラクティスという用語があります。グッドプラクティスとは、優れた取り組み、良好と見なされた手法のことです。ベストプラクティスは多くの場合にとって最善な手法である一方で、グッドプラクティスには特定の場合に良好、または成功したものであるという違いがあります。
また、グッドプラクティスは大学教育の改革において「優れた取り組み」という意味で国際的によく使われています。Good Practiceを略してGPと言い換えられることもあり、各大学の優れた教育改革の事例を取り上げる際に使われます。
バッドプラクティスとは、失敗事例や悪い習慣のことです。字面は似ていますが、ベストプラクティスやグッドプラクティスの対義的な意味合いです。多くの人がやりがちな失敗例や典型的なミス、悪い見本というニュアンスで使われます。
ベストフィットは、最適任という意味です。企業にとって最適な人材に対して使われることが多く、そのような人材を採用、育成することをベストフィット・アプローチといいます。
セオリーとは定石、確立された方法、経験から導かれる効果的な手段のことです。「○○さんのセオリーによると、~~です」というように、「特定の人の」という使われ方をすることもあります。その場合、ベストプラクティスより主観的な見方が強いというニュアンスが含まれます。
ベンチマーキングとは、ベストプラクティスを分析することで改善につなげる経営手法のことです。自社より優れた企業や競合他社のベストプラクティスを分析することで、より効率的かつ論理的な経営判断が可能になります。
ここまでベストプラクティスの意味や使い方、似た用語についてご紹介しましたが、そもそもベストプラクティスを導入することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?今回は、主なメリットを2つご紹介します。
既に確立されたベストプラクティスを取り入れることで、ゼロの状態から模索しなくても優れた手法を導入できるといったメリットがあります。このことにより、最善の手法を探すための時間やコストを大幅に削減することが可能です。また、効率的に最善の方法を取り入れられるだけでなく、自社では気付けなかった新しい発想に気付ける可能性もあります。
一定の成果が確認された実績のある手法を用いることで、成果をあげやすいというメリットもあります。また、実績があることで周囲の同意や支援を得やすいことに加え、過去の事例を分析することで失敗を未然に防ぎやすいでしょう。
しかし、ベストプラクティスとされていても、状況によってはそのまま活用できるとは限らないことに注意が必要です。そのベストプラクティスは自社でも通用するのか、どのようにしたら適用させられるのかなどといったことを慎重に検討するとよいでしょう。
ニーズの多様化や市場の激しい変化に適応するためには、定期的に新しい手法を取り入れたり、プロセスを見直したりすることが大切です。そのためにベストプラクティスを導入することは有効であるといえるでしょう。
しかし、ベストプラクティスとされているものであっても、定期的に見直してアップデートしていくことも重要です。企業や個人が今後も成長していくために、適切にベストプラクティスを取り入れ、レベルアップを図りましょう!
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