2024/04/02

最適なオフを探す秘訣は「自分らしさの追求」にあり

インタビュー
#インタビュー#働き方#スキルアップ

仕事のために意識して過ごす人もいれば、仕事とは切り離して考える人もいるなど、ビジネスパーソンにおける“オフの捉え方”は人それぞれ。 今回お話をお伺いした大前宏輔さんは、どんなに忙しくても意識的にオフを取ることで、新しい価値観に触れる機会を大切にしているそう。オフを効果的に過ごすために、一流のビジネスパーソンはどうしているのか。必見です!


オフの定義は「仕事をしない」時間


大前さんは、ポジション的にもお忙しいと思いますが、オフは取られていますか?

取っていますよ。様々な場所に行ったり、色々な人と話すことで得られる体験が好きなので、意識してオフの時間は確保しています。

ただ、「平日は仕事、休日や祝日はオフ」といった区別はしていません。平日も仕事が終わればオフですし、休日も仕事をしているときはオンなので、仕事をしているかしていないかで、曜日に関係なくオンとオフをフレキシブルに切り替えている感じです。

オフの時間に仕事の連絡が来たときはどうするのでしょうか?

かつて勤めていた会社に「即レスを期待するのはやめよう」という文化が根付いていたこともあり、それが僕の考えるオフの定義にもつながっているのですが、緊急対応が必要な場合以外は、意識的に次のオン時間に回すようにしていますね。

働き方が多様になっていく中、家庭の事情で早朝や深夜の方が仕事が捗る方もいれば、海外に住んでいて時差がある方もいて、全員が同じ時間に仕事をするのは現実的ではない場面もあります。

なので私は、自分にも他の方にも「即レス」を期待しないようにしています。それが結果的に、自分で決めたオフの時間を確保することにつながっているのかもしれません。

好奇心はオフ時間を拡張する起爆剤


オフを過ごす上で心がけていることはありますか?

私は、オフを仕事から切り離して捉えているので、仕事に活かそうと思って何かに取り組むことはないですが、とにかく、新しい「人」「モノ」「場所」と出会い、色々な価値観に触れるようにしています。

スタートアップ業界では、絶え間なく新しいサービスやトレンドが入ってくるのですが、あたかもそれが世間の常識とイコールという、バイアスを持ってしまいがちなんです。そういった誤認をなるべく減らす意味で、色々な価値観に触れることを大切にしています。

なるほど。

特に私は、職業柄“相手の気持ちを想像できる”ようになると、仕事がやりやすくなる感覚があって。例えば、商材のターゲット層の人と直接話してみたり、よく行く場所に足を運んでみたりすると、彼らの気持ちや感覚を想像できるようになり、「どのようにアプローチすれば響くか」というコミュニケーション方法も見出せるようになるんです。

もちろん仕事上でも人の価値観に触れることはできますが、どちらかというと多様性より似た価値観を深く知ることに特化するケースがメイン。情報量が多い分、全てを追いかけることが難しいので、それを補填する役割としてオフで実際に体験することが、効率的で有意義なのではないかと。

どんな過程でその考え方が形成されたのでしょうか?

大学受験で浪人していた際、通ってた予備校の近くに、役者さんが営むコミュニティカフェのような施設に通っていたことです。そこには地元の人や留学生、役者など、年齢や価値観が異なる方がたくさん集まっていました。予備校での勉強に疲れた際によく訪れ、他のお客さんとよく話していたことを今でもよく覚えています。

予備校での勉強をオンとするなら、カフェにいた時間がオフの時間。昔から多くの人と触れ合う機会を持っていたからこそ、色々な価値観に触れることの大切さに気づけたんだと思います。


具体的なオフの過ごし方についても、ぜひ教えてください。

一人で過ごす時は、近所のバーなどに行って、知らない人と会話を交わしたりしています。社会人になりたての頃こそ、美術館やセミナーなど、仕事に活きるようなインプットをしようと意識していましたが、今では、色々な価値観に触れることだけを心がけ、見るもの聞くものを無意識的に分析するようなオフを過ごしていますね。

ただ、実際には一人で過ごすよりも、家族と一緒に過ごす方が圧倒的に多いです。ただ、その場合も、「新しい価値観に触れに行く」という姿勢は変わりません。

例えば、家族で公園やスーパーに行く時には、できる限り毎回違うところを選ぶようにしています。場所ごとに年代やコンテンツが違うので、マーケティングのヒントになる側面もありますし、子どもの「知らないものに対する嫌悪感」をなくす目的もあります。そうやって未知のものへも好奇心を持てるようになれば、人生はもっと楽しくなるはずですからね。

どんなことからも様々なヒントが得られるんですね。

ちなみに、新しい「人」「モノ」「場所」の全てに出会え、オフの過ごし方としてオススメなのがキャンプです。普段行かない場所で、普段出会わない人と出会って、普段味わえない食事を堪能できるんです。

色んな人に体験してもらいたい思いで、自分でキャンプ場を貸し切ってイベントを開催したこともあります。友人の友人までの範囲かつ家族参加OKで、150人ほどを集めて、私がDJをするという(笑)。もともと、知らない人たち同士でも交流を深められるような「場づくり」が好きなこともあって、それはもう最高に楽しいオフ体験でした。

オフの正解は人それぞれ


オフの過ごし方について、たくさんヒントをいただけた気がします。

補足ですが、新しい「人」「モノ」「場所」と出会うことは、今の生活を大がかりに変えること、ではありません。むしろ、見慣れた街の「人」「モノ」「場所」も、見方を変えるだけで面白い発見があります。大切なのは、問いを立てること。小さくてもいいので、これまでとは違う側面を、観察してみることをオススメします。

万人にとっての「正解」はないんですね。

おっしゃるとおり、最適なオフの過ごし方は、自分で見つけるのが一番です。SNS上には、「できるビジネスパーソンは◯◯」のような情報が溢れているので、焦ったり、気負いすぎたりしがちですが、それが唯一の正解ではありません。色々な方法を試して、自分に合った正解を見つけるのが良いと思います。

この記事に登場する人

大前 宏輔

さん

思考合同会社 代表

京都大学教育学部卒業後、2012年株式会社サイバーエージェントに入社し、子会社立ち上げなど幅広く経験。2018年9月より株式会社メルペイに入社し、マーケティングマネージャーを歴任。2021年4月に株式会社YOUTRUST入社、同年10月にCMO就任。2024年1月より独立し、スタートアップ企業のマーケティング戦略・組織づくりに関する支援を行う。

SNS・メディア

小池水音さん “いつか”の夢が現実に。自分に合う働き方のバランスを掴み、小説家デビュー。

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