2024/05/13

Instagram開設から約1年で10万フォロワー達成。SNSが秘めたキャリア形成の可能性とは?

インタビュー
#SNS#マーケティング#スキルアップ#インタビュー

InstagramにLINE、X(旧Twitter)にYouTube。SNSのない暮らしにはもう戻れないと感じる方はきっと多いはず。 インフルエンサーの存在も当たり前となり、SNSを活用したマーケティングも大きな注目を集めるようになりました。そんな中、自身の新しいキャリアとして、副業として、SNSマーケティングに興味を持っている方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、多数のInstagramの運用成功実績があり、現在は企業アカウントの運用代行やコンサルティングも行う、廣田智沙さんにインタビューを実施しました。 少人数制クラスの講師としてもPERSOL MIRAIZに参画いただいている廣田さんに、これまでのご経験や、そこから導き出したSNSマーケティングにおける成功の秘訣を伺います。


※本クラスの応募は締め切りました

SNSを駆使してアパレルブランドの売上UPに成功。

新卒で人材系スタートアップ企業に入社し、マーケターとしての道を歩みはじめた廣田さん。まずは、そこからSNS領域に主戦場を移し、成果を上げるまでの経緯を聞きました。

「1社目で担当していたのはBtoBのセールスマーケティングです。企業からの問い合わせを増やすために、主な流入経路であるWEBサイトの改善を繰り返して、コンバージョンの向上に取り組んでいました。その後、縁あって『beautiful people』というアパレルブランドに転職したんです。WEBサイト改善の経験を買われて、PR兼マーケティング責任者として採用されました。だから入社当初は『beautiful people』のECサイトを改善していくことが自分のミッションだと思っていました」

しかし、ECサイトを解析していくうちに、効果の最大化に必要なのはサイトの改善ではないと気づいたのだとか。

「ECサイトで商品を購入した人の流入経路を探ってみると、SNS経由のコンバージョンが圧倒的に高いことがわかったんです。その当時はSNS経由での購買が今ほど一般的ではなかったので、SNSにそこまでの力があることは意外でしたね。会社としてもInstagramのアカウント自体は持っていたものの、とくに注力していなかったんです。だからこそ、SNSの運用方法を見直して、ユーザーに対してうまく購買の動機づけができれば、売上に大きく貢献できると考えました」

ブランドに興味のある人々をフォロワーとして蓄積できれば、自然と顧客接点が増え、継続的な関係を保つことができる。そうしたSNSの活用を通じて、リピート購入や、ブランディングの強化などの幅広い効果を期待した廣田さん。しかし、BtoBマーケティングの経験しかなかったために、はじめは手探りでのスタートだったそうです。

「『beautiful people』はパリコレにも出ているブランドだったので、もともとSNSアカウントで載せていたのは海外モデルのルックでした。そこからさらに購買意欲を高めるにはどんな発信をすべきなのか、ひたすら検索タブで人気の投稿を漁って、他ブランドのアカウントも一通り調べて、地道にヒントをかき集めました。とくに当時、SNSをいち早く活用していたDtoCの日本ブランドは、『beautiful people』とも親和性が高そうだなと思って参考にしていましたね。

他のブランドの発信と比較して気がついたのは、それまでの投稿はユーザーとの距離が遠いということでした。ブランドへの憧れは醸成できても、日常で着用するイメージを持たせることができていないんじゃないかと感じたんです。それはきっと、コレクションのルックを載せているだけでは解消できない問題です。そこで、SNS専用の撮影を新たに実施することにしました。ブランドの品格は保ちつつ、これまでよりも親しみを感じられるような投稿を意識しながら、日本人モデルを起用したカジュアルなカットをあえて増やして、途中からは海外の方向けに英語のキャプションも追加しました。また、コレクションをLIVE配信したり、雑誌と連動したプロモーションを企画したりと発信をブラッシュアップし続けて、最終的には、在籍した約2年間でフォロワー数を13万人から20万人にまで引き上げることができました。ECサイトへの流入数や売上も、目標を達成することができたので、やはりSNSに舵を切ったのは間違いじゃなかったと感じています」

開設から約半年で、1万人のフォロワーを獲得。

2社目のアパレルブランドでは、既存アカウントの強化に取り組んだ廣田さん。2022年に自身が立ち上げたFLAFFYのInstagramアカウント「FLAFFY.me」では、アカウントをゼロからスタートするというまた新しい経験をされています。

「2社目のアパレルブランドは知名度があり、一定数のフォロワーもついていました。一方のFLAFFYは新しく立ち上げたブランドなので、もちろん知名度はゼロ。前職が1→10にするような経験だとすれば、FLAFFYはアカウントも新たに開設するという、0→1の全く新しい試みでした」

とはいえ『beautiful people』での経験があったため、数ヶ月もあれば1万人ほどのフォロワーが獲得できると踏んでいたそう。

「考えが甘かったですね。誰にも知られていないアカウントをゼロから育てていくのは、全く性質の異なるものでした。『FLAFFY.me』ではどんな発信をすべきなのか、改めて整理していきました。そもそもFLAFFY自体は、犬用のアパレル販売事業で立ち上げた会社です。Instagramは、その販路の拡大が目的。であれば商品に関する投稿を並べるのが普通だと思うのですが、『FLAFFY.me』はあえて犬用の情報メディアとして開設しています。見ず知らずのブランドの商品を紹介しても、ユーザーには見てもらえないですから。商品の宣伝をする前に、まず目指すべきは、犬と暮らしている方との接点を持ち、関係を構築することだと考えたんです。

投稿の内容は、私やメンバーが犬と暮らす中で悩んだことや困ったことをヒントに組み立てました。便利なペットグッズや犬を連れて行けるおでかけスポットなど、犬を飼っている人が知りたいと思う情報を発信します。もちろん、見せ方も大切です。検索タブでどんな写真ならクリックされるか。どんな文言ならターゲットにリーチできるのか。文字サイズを微調整したり写真を差し替えて再投稿したりと、細かい試行錯誤も重ねました。また、一般的なWEBサイトと違って、Instagramでは双方向のコミュニケーションを構築できるので、フォトコンテストなどの参加型キャンペーンも企画しました。ユーザーにも主体的に参加してもらうことで、より親密度が上がり、ファン化を促すことができるんです。SNSの特性を活かしながら、ユーザーとの関係を少しずつ築いていきました」

新規アカウントの立ち上げは、想定通りとはいかなかったようですが、軌道に乗るまでの日々をどのようにして乗り越えたのでしょうか。

「時間はかかりましたが、いろんな方法で発信を続けていると、たまに反応が返ってくるようになるんです。これはユーザーに響く、こうすると閲覧数が伸びそうというのが少しずつわかってくると、運用自体が楽しくなっていきました。アカウントを新しく開設する場合はとくに、反応がないことも一つの収穫くらいの気持ちで、地道に続けることが大事ですね。FLAFFYも半年ほどかけて、やっとフォロワー数1万人に辿り着き、開設約1年で10万人まで到達しました」

諦めないことが、SNS運用のいちばんの近道。

既存のSNSを伸ばす、新しいアカウントを育てるという2つの経験を経て、現在はSNSの運用代行やコンサルティングも手がけている廣田さん。その中で感じた、SNSマーケティングにおける大切なことを伺いました。

「大事なのは、目的意識を持つことです。アカウントを開設するよりも前に、SNSを運用するうえでの目標を設定することからぜひ始めてください。SNSを運用して、何を実現したいのか、どんなスキルを身につけたいのか。たとえば、1年以内にSNSマーケターに転職したい、家業の販促にSNSを活用したいなど、自分自身が成し遂げたいと本気で思えるものなら内容はなんでも構いません。私の場合でいえば、『beautiful people』ではSNS経由でのECサイトの売上を上げることが目的でした。『FLAFFY.me』では、認知を拡大してブランドの知名度を上げることを目指していました。最初に目標を言語化しておくことで、諦めそうになったときに踏みとどまることができるはずです。

SNSはアカウントを開設した時点だけでなく、軌道に乗ったあとにも伸び悩む時期があります。順調にフォロワーが増え続けることは基本的にありません。また、Instagramのアルゴリズムも定期的に変更があり、優先表示のルールや一度に投稿できる枚数などが更新されています。もちろんユーザーの心理も日々移り変わり、流動性が高いメディアと言えると思います。一度フォロワーを獲得できても、その方法をずっと続けていればいいわけではないんです。でも、だからこそ、運用して身につけた新鮮な知識には価値があります。私もSNSで情報収集する時間は、今でも毎日必ず確保しています。人気のある投稿やアカウントを分析して、FLAFFYでも新しいことをつねに試しています。続ければ続けるだけ、試行錯誤を重ねただけ、知見が増えてSNSマーケターとしてのノウハウが磨かれていくんです」

Instagramは、マーケティングの学校。

この度、PERSOL MIRAIZの少人数制クラスで講師として登壇される廣田さん。講義ではこれまでに培った貴重なノウハウも包み隠さず披露してくれると言います。

「転職やキャリアアップをするには、その分野の専門的な知識やスキルが求められます。業界や職種など何か次の仕事に活かせるものがなければ、採用されることは難しく悩まれる方も少なくはないと思います。だからこそ、新卒で1社目として選ぶ会社が重要なんだと、私も転職活動をしたときに痛感しました。マーケティングの経験はあったものの、経験年数が足りずに応募できない企業はありました。ですが、SNSマーケティングなら、チャンスは自ら創り出せます。現職で全くマーケティングに関係のない仕事をしていたとしても、個人でアカウントを開設して、専門的な知見を得ることができるんです。その行動力、そしてそこで得られる実績は、企業にとっても魅力的に映る。今は私自身が採用する側にいるからこそ、より一層そう感じています」

これまでSNSに限らず、BtoB、BtoCのマーケティングを幅広く学んできた廣田さんから見て、Instagramにはマーケティングに求められるあらゆる知識や考え方が集約されているのだとか。

「どうやってブランドやサービスに興味を持ってもらい、ファン化を促すのか。Instagramでは、その一連の流れがすべて経験できます。また、投稿してから数日でリーチの結果が出るので、短期間でPDCAを高速に回すことができます。さらに、A/Bテストでの検証、効果の分析など、私がマーケターとしてこれまで経験してきた内容が詰まっているんです。Instagramはマーケティングを網羅的に学べる学校のようなものかもしれません。また、すでに多くの企業がSNSの有用性に期待して活用を始めており、その状況から見て、SNSは今後マーケティングのコアになってくるはずです。私が持っているノウハウを提供することで、皆さんのキャリアの選択肢が拡がったらいいなと思っています」

SNSという限られた領域だけでなく、マーケティング全般の知見を得ることができるInstagram。さらに、廣田さんの場合にはInstagramを通して、新しい仕事も次々に生まれているようです。

「Instagramは、無料で誰でも始められます。そんな手軽さにもかかわらず、私はInstagramを通じて14万人を超えるフォロワーさんと繋がることができました。さらに大手企業とのコラボも実現し、ユニ・チャームさんと共同開発した犬用の吸水ウェアは、全国15000もの薬局やスーパーで販売されました。いつも通っているお店で見つけたときには、嬉しくてしばらく眺めてしまいました。さらに、エイベックスさんと共同で開催したドッグイベントには、3万人を超える皆さまにご来場いただきました。フォロワー0人から始まったアカウントが、私をここまで連れてきてくれたんです」

最後に、SNSマーケターを目指すみなさんへのメッセージをいただきました。

「誰もが夢を掴めるのがSNSです。多くの人とつながり、新しいことに挑戦する機会を得られます。はじめるためにお金もかかりませんから、やらない手はありません。長くても1年ほど運用を続ければ、1万人のフォロワーを獲得することは難しくないと思います。闇雲に投稿しても結果には結びつきませんが、ユーザーが何を求めているのかを考えて、発見されやすい投稿を工夫して投稿し続ければ、おのずとフォロワーがついてくるはずです。その辺りの詳しいノウハウは、MIRAIZの少人数制クラスでお伝えしていきますので、ぜひご参加いただけたら嬉しいです」

無料で始められるSNSなら、だれにでも平等にチャンスがある。SNS運用の先に、皆さんの新しいキャリアも広がっているかもしれません。

※本クラスの応募は締め切りました

現在、募集中のクラスはこちら

この記事に登場する人

廣田 智沙

さん

株式会社FLAFFY 代表取締役

ひろた・ちさ 大学卒業後、人材系のスタートアップ企業に就職し、BtoBマーケティングの責任者として全体戦略の立案から実行までを担当。その後、パリコレ常連の日本ブランド『beautiful people』に国内外のマーケティング・PR責任者として転職。2021年に「イヌとヒトの関係をフラットに」を理念に掲げる株式会社FLAFFYを設立し、犬用のアパレル事業や3万人規模のDOG FESを開催するイベント事業などを展開。メディア事業では、国内最大規模の約15万人のフォロワーを有する犬情報メディア『FLAFFY.me』や、愛犬とのお出かけに特化したメディア 『イヌといこうよ』など、総フォロワー20万人超のメディアを運営している。

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