2024/08/01

デジタルマーケティングって、実は社会人の必須スキルかもしれません。

インタビュー
#広告運用#マーケティング#スキルアップ

サイバーエージェント、メルペイ、YOUTRUSTで経験を積み、マーケターとして独立した大前宏輔さん。 新卒でサイバーエージェントに入社して約20年、デジタルマーケティングの最前線を走り続けてきた備前光隆さん。 それぞれのキャリアを築いてきた2人に伺ったのは、どんな仕事にも役立つ普遍的なスキルのお話。 これから広告やマーケティングの領域で活躍していきたい方も、まったく別の業界で、ビジネスパーソンとしてのスキルを高めたい方も。キャリアを形成していく上で、デジタルマーケティングを学ぶことの有効性とは?

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“なんとかなる”のがデジタルマーケティング。

備前

備前さん

今、大前くんとは講座のカリキュラム作成を一緒に進めているけど、実はサイバーではそんなに接点がなかったよね。

大前

大前さん

そうですね。備前さんは6年先輩で、僕が入社したときにはすでに社内でも一目置かれている、ちょっと遠い存在でした。
ただ、仕事での関わりはなかったんですが、いつだったか同じ部屋で、共通の上司に叱られたことはあります(笑)。

備前

備前さん

ああ、そんなこともあったね(笑)。
でもやっぱり、マーケターとして育った環境が同じだからか、講座の内容を考えるときにも話が合うなと思う。
大事にしているもの、根本の考え方が共通しているというか。

大前

大前さん

数字がすべて、みたいなところですよね。
運用とか分析って、いかにも賢そうな雰囲気がありますけど、実際は毎日数字を追いかける泥臭いもの。


クライアントのビジネスを成功させることが僕たちの仕事であって、おしゃれなクリエイティブとか話題性どうこうは本質じゃない。
「数字が気になって仕方がない人間になれ」とサイバー時代に叩き込まれました。

備前

備前さん

当時からデイリーレポートを大事にする文化があったね。
「効果は出てるの?」「昨日の売り上げどうだった?」って、
合言葉みたいに毎日飛び交って。


そして今や、デイリーどころかアワリー(hourly)。
毎時で数字を追いかけるようになってるけど。

大前

大前さん

メルペイ時代もまさにそうでした。
朝10時にLPを公開してキャンペーンが始まって、11時過ぎには初回の実績レポートが上がってくるんですよ。
それで効果が悪ければ、じゃあどう改善するの?をすぐに求められる。


マーケティング担当者としては気が気じゃなかったけど、
それぐらいのテンションで数字に向き合っている会社が伸びていますよね。

備前

備前さん

インターネット広告って数字が全部見えてしまうから、言い逃れができないよね。社内にもクライアントにも筒抜け。


でも逆に言うと、緻密に数字と向き合って改善していけば、失敗することも少ない。それがデジタルマーケティングのいいところかもしれないね。

大前

大前さん

そう、最終的になんとかできちゃうんですよね。
「頑張りようがある」って結構大事だと思ってます。


例えばテレビCMでも交通広告でも、一度広告枠を決めてしまうとすぐにはプランを変更できないし、クリエイティブも簡単には変えられず、祈るしかないんです。


僕は今、マス広告やオフラインでの大きなプロモーションなどにも幅広く携わっていますが、それらは効果を測りづらいし改善活動も難しい。


なので、仮にもし施策がコケてしまったとしても、デジタルのほうでカバーできるぐらいの予算配分をするようにしています。

備前

備前さん

デジタルマーケティングはリスクヘッジにも使えるってことだね。
「今日は効果が良くなかったけど明日は挽回できる」ってことが普通にある世界だから。
そして、そういう細かなトライアンドエラーを繰り返せるからこそ、マーケターとしての感覚が研ぎ澄まされていくんだろうね。

それぞれが選択したキャリア。

大前

大前さん

広告やマーケティングの世界に緻密な効果検証や改善の考え方を持ち込んだのは、おそらくサイバーが先駆けですよね。
そういう環境でキャリアをスタートできたことはラッキーだったと思います。

備前

備前さん

今では一般的になっているけど、サイバーは運用型広告が出てきたかなり初期の段階から24時間の運用体制を敷いていたね。


それまでは「できる限り対応します」というスタンスが業界内でも普通だったけど、本気で効果を上げたいクライアントの期待に応えられないことも多いからね。
24時間、365日運用ができることを打ち出すために、夜勤務のスタッフ雇用までして仕組みをつくり上げたんだよね。

大前

大前さん

今では一般的になっていますが、媒体ごとのアルゴリズムに言及するようになったのも当時はインパクトがありました。
そうやって業界のスタンダードをつくってきた会社ですよね。

備前

備前さん

そうだね、自分のキャリアを考える上で一番優先度が高いのが、デジタルマーケティングの最前線に身を置き続けること。
だから新卒で入社してからずっとこの会社にいるっていうのはあるかな。


大前くんは転職を選択したと思うけど、どうしてだったの?

大前

大前さん

僕はサイバー時代、扱う予算や世の中への影響力が大きいナショナルクライアントを担当することが多かったんです。
そんなクライアントのビジネスを伸ばすためには、ネット広告の分野だけではカバーしきれないこともあって。


デジタル領域だけではなくて、包括的な企画・提案ができるマルチなマーケターになりたいと思うようになって、他の分野を経験する修行に出たという感じでした。


でも、会社を移っても、独立しても、土台になっているのはサイバー時代に培ったものですし、通用すると思えたのは大きかったです。

備前

備前さん

なるほど、ずっと一社にいる身としては気になる話だね。
大前くんが転職した2つの会社も勢いのあるところだったから、優秀な人は多かったんじゃない?

大前

大前さん

そうですね、メルペイのときは、マーケティング業界ではよく知られたP&G出身の上司がいましたが、やっぱり優秀な方でした。
何を考えるにも解像度が高くて、フワッとさせない。


その方はP&G時代にべビー用品の販促プロジェクトを担当していたとき、「おむつをあと何枚売ったら自分たちの目標は達成できるのか?」という考え方をされていたそうです。


そうすると、既存商品のプロモーションをするだけではなくて、増量パックをつくるとか、2〜3枚入りの商品をレジャー施設で売るとか、商品体を企画する本質的な提案ができます。最小単位で物事を考える、と言いますか。
そういう考え方って、サイバーで大事にされていることと同じだと思ったんですよ。

備前

備前さん

確かに、限界まで細分化して解像度を上げることは、デジタルマーケターにこそ求められるものだと思う。
裏を返せば、細かく数字と向き合うことは、解像度を上げる最高の訓練になるのかもね。

デジタルマーケティングは普遍的なスキル。

大前

大前さん

僕は転職して、デジタル広告意外にもいろんな経験を積ませてもらいました。
その上で思うんですが、マーケティングの基本は、デジタルマーケティングに詰まっているんじゃないかなと。


リスティング広告であれば、キーワードを考えて、タイトルや説明文をつくって、LPを設計して、という一連の流れがあります。
言い換えると、消費者がどういうニーズで検索して、それに対してどんな広告を当てて、どうやってコンバージョンまで導いていくかという、まさにマーケティングの基本なんですよね。


さらに効果測定しながら何度もPDCAを回していくので、短期間で得られる経験値が大きい。
デジタルの領域で鍛えている人は、マーケティング的な業務はなんでもできるようになっているはずです。

備前

備前さん

そうかもしれないね。
それに、マーケティングの世界だけじゃなくて、もっと広い意味でも汎用的なスキルだと思う。


細分化して考えるとか、数字を見て結果を振り返って次のアクションプランを立てることって、広告やマーケティングに限らず、あらゆる業務に通じる話だよね。
でも、その鍛え方が分からない人は多いんじゃないかな。

大前

大前さん

それこそ最近では、あらゆる業務にアナリティクスが導入されて、分析と改善を行えるようになってきていますが、それにもまだ限界はあると思っています。


毎時で数字が出てくるわけではないですし、ノウハウが確立されていない領域も多い。
その点、デジタルマーケティングの場合は、本当に分かりやすく数字が出てくるので、改善活動もしやすく、学習の場として最適だと思います。

備前

備前さん

「目標を立てて、達成する」というのは、すべての仕事の基本だよね。それを解像度高く、どういうステップを踏んでいくかを設計する力がつくのがデジタルマーケティングということだね。


あと、今話しながら思ったのは、そもそも“センスのいい目標”を立てることも大事だなと。目標を達成できるかどうかは、目標設定の時点で勝負がついていたりするから。
具体的な行動を起こしやすく、ゴールまでの階段が見えやすい目標。
さらには、プロジェクトチームの士気が上がり、少ない労力で大きなインパクトを出せる目標を設定できると強い。

大前

大前さん

サイバーでもよく使われていましたが、
ビジネス用語的に言うと“センターピン”の見極めですよね。
ボウリングに喩えた言葉で、真ん中の1番ピンを倒せば後ろのピンも全部倒れていくよね、という。

備前

備前さん

デジタルマーケティングはとにかく場数をたくさん踏めて、
効果が具体的な数値に表れるから、目標設定の勘所が分かるようになってくる。


センターピンという本質的な目標を見つけるのが上手い人は、
どんな業界、どんな仕事でも重宝されるはずだね。

数字が苦手な人ほど、数字と向き合ったほうがいい。

大前

大前さん

今回の講座は、デジタルマーケティングの中でも本当に基本的な、入門編の内容になっていますよね。
受講いただく方も、これからデジタルマーケターになりたい人や、社内のマーケティング担当に任命されたけど教えてくれる上司がいない、といった人がメインになってくるかと思います。


備前さんからそんな受講生に向けて、最後にメッセージをいただけますか?

備前

備前さん

そうですね、伝えたいのは「早めに学んでおいて損はない」ということかな。
この20年ほどでデジタルマーケティングは急速に発展しましたが、最も画期的だったのは広告を“運用する”という新しい概念を持ち込んだことだと思います。


これまでもお話ししてきたように、旧来の広告は一度世に出すとすぐには改善ができなかった。
それを、具体的な効果測定をしながら運用していけるようになったことが、一番大きなパラダイムシフトだと思っています。


今後はマス広告やオフラインの領域でも、広告を運用していくという考え方がスダンダードになっていくはず。
マーケティングやクリエイティブの世界で生きていくなら、必修科目としてデジタルマーケティングには触れておいたほうが絶対にいい。
あともちろん、マーケター志望ではない人、まったく別の業界の人も大歓迎です。

大前

大前さん

確かに、今後デジタルマーケティングは「英語を話せる」とか「Excelを使える」のような、ビジネスパーソンが身につけておいて損がない基礎スキルになってくると思います。


僕は、数字が苦手な人ほどデジタルマーケティングを学ぶといいと思うんですよ。
数字を気にしなくていい仕事って基本的にないですが、世の中の多くの仕事が、抽象度が高くて具体的に効果を測りづらい。フワッと、なんとなくでやってしまいがち。
そうして数字から一生逃げ続けることになるかもしれません。


だから数字が苦手な人ほど、はっきりと数値化されるデジタルマーケティングの分かりやすさに、一度向き合ってみるといい。
やるべきことが明確で、スキルアップしていく足場がちゃんと一段ずつあるので、すべての仕事に通じる基礎力を鍛えられるはずです。

備前

備前さん

それで案外、自分に向いてそうだと思うこともあるよね。
今まではやり方が分からなくて、漠然とした苦手意識があっただけかもしれない。
そうなればマーケティング業界に転職してしまってもいいからね。

大前

大前さん

この業界って、資格のようなものがあるわけではないし、確立されたノウハウがあるわけでもないですよね。
今日の常識が、明日の非常識になることだってある。


とにかく移り変わりが早いから、僕たちも学び続けないといけない。
だからこそ「いつ始めても遅くない」とも言えるんじゃないかなと。

備前

備前さん

それが大変なところであり、面白いところだね。
今回の講座を通して、終わりのないマーケティングの道を一緒に楽しんでいける仲間ができたらいいなと思ってます。

大前

大前さん

そうですね!頑張っていきましょう。
この記事を読んでくださった方が1人でも多く応募してくれると嬉しいですね。

この記事に登場する人

備前 光隆

さん

株式会社サイバーエージェント AI事業本部 アドテクDiv統括

慶應義塾大学法学部を卒業後、新卒で株式会社サイバーエージェントに入社。広告営業、SEM・ディスプレイ広告のコンサルティングを経験するなかでデジタルマーケティングのいろはを学ぶ。2014年には広告プロダクトを扱う企画・開発する部署に異動し、Dynalystをはじめとしたデジタル広告プロダクトの開発を任された。2016年からはABEMAの立ち上げにも中核メンバーとして参加し、ユーザー分析やサービス内回遊を担当。有名企業との協業プロジェクトを推進する。現在は、同社のAI事業本部にて大手企業との協業プロジェクトなども通じて、最新技術を駆使した広告サービス・プロダクトの企画・開発に従事している。

大前 宏輔

さん

思考合同会社 代表

京都大学教育学部を卒業後、新卒で株式会社サイバーエージェントに入社。大手企業のクライアントを中心に、デジタルマーケティングの実績を積み、1年目には社内の新人賞を受賞。2年目には子会社の立ち上げも任される。2018年9月に転職した株式会社メルペイでは、マーケティングマネージャーとしてメルペイの普及に努めた。その後、2021年4月に株式会社YOUTRUSTに入社し、同年10月にCMO(最高マーケティング責任者)に就任。2024年1月に独立し、現在は自身の会社である思考合同会社で、スタートアップ企業のマーケティング戦略や組織づくりに関する支援を行っている。

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