「どう生きるのか」という問いに対し、周囲に迎合せず生きることの価値を、端的に分かりやすく解説しています。

講演を書籍化したものなので読みやすく、1時間で読了できます。

キリスト教徒が禁止されていた時代に生まれ、母親や兄弟からの反発を受けつつもキリスト教徒として生きた著者の思想が参考になります。

自身の中で考え抜いた決断だったとしても、家族や周囲からの反対により自身の意思決定に不安が生じることがあると思います。

そんな時に本書を読むことで、短期的な損失や失敗を恐れず、悩み抜きながらも正しいと思う道を歩み続ける生き方こそに価値があると再確認できます。

「われわれに後世に遺すものは何もなくとも、われわれに後世の人にこれぞというて覚えられるべきものはなにもなくとも、アノ人はこの世の中に活きているあいだは真面目なる生涯を送った人であるといわれるだけのことを後世の人に遺したいと思います」という内容が印象的です。

短期的な欲望に流されず、正しく生きたいと思い起こさせてくれます。

出世や昇給、上司や周囲からの評価が気になり、自分自身の生き方を曲がった方向に変えていこうとしている方や、その状態に違和感や葛藤を抱いている方におすすめです。

あなたが何に違和感を感じ、どう葛藤しているのかをうまく言語化してくれます。