2024/02/28
イニシアチブとは一般的に「率先・主導権」を意味し、ビジネスの場では主にほかより先に動き出したり、優位に立ったりすることを指す言葉です。この記事では、言葉の使い方やビジネスの場でイニシアチブを取るコツなどを解説します。
イニシアチブは英語の「initiative」を語源とする言葉で、日本語では「率先・主導権」、「実行力」、「新規構想・戦略」を意味します。ビジネスシーンでは、主にほかより先に行動したり、優位に事を進められる立場に立ったりすることを指し、「イニシアチブを取る」や「イニシアチブを発揮する」といった言い回しをするのが一般的です。また、「イニシアティブ」と発音されることもありますが、同じ意味を表します。
今回は、イニシアチブの意味や使い方をシーン別に詳しくご紹介したうえで、ビジネスシーンにおいてイニシアチブを取るコツをお伝えします。
今回の商談は大切だから、イニシアチブを取れるよう事前準備をしっかりしようね。
(イニシ…?いにしえ…?)
イニシアチブとは率先、主導権という意味で、優位に事を進められる立場に立つことだよ。
イニシアチブとリーダーシップは「先導する」という意味では共通しますが、リーダーシップが全体を動かすための力であるのに対し、イニシアチブは個人としての行動や態度を表すという違いがあります。 リーダーシップは、「組織やチームを統率し、指導する能力」を指すため、周囲に働きかけるニュアンスが強い一方、イニシアチブはあくまでも「個人が率先して行動する」というニュアンスが強いことが特徴です。混同しやすい言葉ですが、違いをしっかり理解しておきましょう。
ビジネスシーンにおいてイニシアチブは、主に「主導権」、「実行力(自発性)」、「計画・構想」の意味で使用されます。また、「計画・構想」の意味で使われる際に用いられる用語として「戦略的イニシアチブ」があります。戦略的イニシアチブとは、行政や企業が戦略目標を策定し、その実現に向けて主体的に活動する取り組みのことです。中長期経営計画や新規事業計画をはじめとした企業の経営戦略などが戦略的イニシアチブにあたります。以下に、それぞれの意味ごとの具体的な例文をご紹介しますので、実際にビジネスの場で使い分けられるようにしましょう。
<主導権の意味で使う場合の例文>
<実行力(自発性)の意味で使う場合の例文>
<計画・構想の意味で使う場合の例文>
イニシアチブはビジネス以外の場でも使われる言葉です。ここからは、スポーツと政治の場面でイニシアチブが表す意味を例文付きで解説します。
スポーツにおいて、イニシアチブは「有利・優勢」といった意味で使われることが一般的です。たとえば、自分たちのチームが有利な状態で試合を進めている場合は「イニシアチブを取っている」、反対に、敵対するチームが有利に試合を進めている場合は「イニシアチブを取られている」と表現します。
<例>
豆知識ですが、政治の場で使われるイニシアチブは主に「国民発案」を意味します。国民発案とは、有権者である国民が憲法改正案や法律案などの立法に関する提案を行う制度のことです。イニシアチブ(国民発案)は日本の国政では認められていないため、「国民発案」の意味で使われることは少ないですが、雑学として覚えておくとよいでしょう。
<例>
ここまでイニシアチブの意味についてご紹介しましたが、コミュニケーションの相手や状況によっては、日本語で言い換えるとよいでしょう。ここからは、イニシアチブの意味ごとの類語をご紹介します。
率先・主導権の意味での類語は以下の通りです。
計画・構想の意味での類語は以下の通りです。
イニシアチブにはいくつかの意味があるので、適切な言い換えをするためには、それぞれの意味ごとに類語を把握しておくことが大切です。
対義語の意味も押さえておくことで、より理解が深まるでしょう。「率先・主導権」の意味でのイニシアチブの対義語としては以下の2つが挙げられます。
「後に付き従うこと。人の意見に従うこと。」という意味です。
「後に付き従うこと。人の業績を真似て追いつこうとすること。」という意味です。能力がある人や組織の後を追いかけるという意味合いでの使い方が一般的です。
ここまで、イニシアチブの意味や使い方について詳しく解説しました。ご紹介した通り、主導権や実行力を意味するイニシアチブは、ビジネスの場において欠かせない概念です。しかし、主導権を握ったり、実行力を発揮したりするのは簡単なことではありませんよね。ここでは、イニシアチブを取るためのコツを4つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
イニシアチブを取るためには、他人の意見に追従するのではなく、自分の意見を積極的に伝えることが重要です。また、会議のような議論の場において自ら提案者となり、解決案や企画案を提示することで、場の主導権を握ることができます。このような、業務に対して前向きな姿勢は、自発性があるという意味でもイニシアチブを発揮しているといえるでしょう。
イニシアチブを取るうえでは、重要な場面においても迅速かつ的確な判断ができるよう、決断力を身に付けておくことが重要です。優柔不断な態度でいると、相手にイニシアチブを取られやすくなってしまいます。特に、交渉や商談の場において相手にイニシアチブを取られてしまうと、自社にとって不利な状況に陥るリスクがあるでしょう。とはいえ、決断力は一朝一夕に身に付くものではありません。日頃から物事を多角的な視点で捉えたり、自分の意見を根拠立てて持ったりといったことを意識的に行うとよいでしょう。
会議や商談の場などにおいて、質問に対する回答を事前に準備しておくこともイニシアチブを取るコツの1つです。質問に答えられないと、相手のペースになってしまうこともあるでしょう。そこで、相手に納得してもらえるように、想定される質問とそれに対する回答のパターンを何種類か用意しておくと安心です。
議論や交渉の場に挑む際は、あらかじめ関係者に根回しをしておくことも、イニシアチブを取るうえで有効です。なぜなら、事前に関係者に話を通しておくことで、議論の場で後押ししてもらえたり、賛同が得やすくなったりするため、結果として自身に有利な状況を作り上げることにつながるからです。その場でいきなりイニシアチブを取ることが難しいと感じる場合は、ぜひこの方法を実践してみてください。
今回の記事では、イニシアチブの意味や使い方などについてご紹介してきました。「主導権」、「実行力」、「計画・構想」を表すイニシアチブはビジネスの場において非常に重要です。イニシアチブを取ることはなかなか難しいですが、ご紹介したようなコツを参考にして、ぜひご自身の業務に活かしてみてください。
また、イニシアチブはビジネス会話でよく使われますが、さまざまな意味を包含する言葉でもあるため、相手と共通認識が持てているか確かめながら使うことが重要です。必要があれば、今回ご紹介した類語を参考にして、日本語に言い換えるようにしてくださいね。
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