2024/02/28

コンプライアンスとは?身近な違反事例、似た意味の用語も併せて分かりやすく解説!

知っておきたいビジネス用語図鑑
#ビジネス用語#働き方

コンプライアンスとは、企業において法令や社会的規範を遵守することをいいます。コンプライアンスに違反しないためには、個人でも正しい知識をしっかり身に付けておくことが必要不可欠です。今回は、正しい意味や具体的な事例とともに、似た意味の用語についても解説します。

目次

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コンプライアンスとは

コンプライアンス(compliance)とは、直訳すると「法令遵守」という意味を持つ英単語です。しかし、企業で使われるコンプライアンスの意味合いはさらに広く、「法律だけではなく、社会規範や道徳、倫理観を守る」ことを指して使うのが一般的です。「コンプラ」「コンプラ違反」と略されて使われることもあります。

<正しい使い方例>

  • コンプライアンス(コンプラ)を徹底しましょう
  • コンプライアンス(コンプラ)を強化する
  • コンプライアンス(コンプラ)に違反する


ただし、コンプライアンスという言葉自体に「規則・法令を遵守する」という意味が含まれているため、下記のような言い回しは意味が重複しており、誤った使い方であるため注意しましょう。

<誤った使い方例>

  • コンプライアンス遵守のために~する
  • コンプライアンスを守りましょう


今回は、コンプライアンスに似た言葉や、コンプライアンス違反の例について解説していきます。コンプライアンスについての知識がないと、知らないうちに違反をして大きなトラブルに発展する恐れがあるため、しっかりとポイントを押さえておきましょう。

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コンプライアンスはとっても大事!

 

過去にこんなコンプライアンス違反があったから、十分に気を付けてね

 

(え、天ぷら?…….じゃないよな)

 

コンプライアンスとは、法令や社会的規範を守ることをいうよ

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コンプライアンスが重要視される背景

コンプライアンスが世間で注目されるようになった背景の1つが、企業の不祥事です。特に、バブル経済崩壊後、経営状態が悪化した企業による不祥事が相次ぎ、世間を騒がせました。そのため、公正な経営を求める声が高まり、コンプライアンスの徹底が要求されるようになりました。

また、インターネットやSNSの普及によって、世間の目が厳しくなったこともコンプライアンスが重要視される大きな背景です。今やスマートフォン1つで誰もが情報を発信することができ、瞬く間にSNS上で拡散されてしまいます。企業はこのような状況を踏まえ、社員一人ひとりに対してのコンプライアンスを徹底するようになりました。

さらに、企業の不正に関する内部告発が増えたことも背景の1つです。内部告発が増えたのは、2022年6月に公益通報者保護法が公布され、内部告発をした者が不当に解雇や降格をされるなどの不利益を被らないよう法律で守られるようになったことも影響しています。

このように、不祥事が明るみに出やすくなった今、世間からの信用を失わないようコンプライアンスを徹底することの重要性が高まっているのです。

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コンプライアンス違反の主な例

コンプライアンスに違反している状態とは具体的にはどのようなものが挙げられるのでしょうか?ここでは、企業において起こり得るコンプライアンス違反を5つご紹介します。

情報漏えい

情報漏えいとは、企業が保有している機密情報や個人情報が外部に流出することを指します。特に、個人情報の取り扱いは近年より一層厳しくなっており、企業側は個人情報を管理する厳格な管理体制を構築することや、最新のソフトウェアを導入して情報セキュリティを強化するなどの対策が求められています。

労務問題

労務問題は、長時間労働を強制することやパワハラやセクハラなどのハラスメント、不当解雇などが挙げられます。労務問題に関しては「ブラック企業」という言葉が広まったことや、2018年に働き方改革関連法が交付されたことで世間の意識が高まりました。働き方改革関連法では、残業時間に上限を課し、それを超えた労働に対して賃金を引き上げることが定められています。また、雇用形態による不合理な差をなくすことも規定されており、企業はより一層コンプライアンスを徹底することが求められるようになりました。

不正会計・データの改ざん

不正会計やデータの改ざんは、企業が財務情報を意図的に改ざんしたり、経営状況の把握に必要な情報を隠蔽したりすることを指します。株主や消費者によい印象を与えるために利益を改ざんし、赤字を黒字にして決算報告をしたり、費用として計上するべきものを先送りにして利益を水増ししたりといったことが不正会計・データの改ざんの例です。また、複数の企業が架空の商品やサービスを取引して、利益を計上したりすることもコンプライアンス違反にあたります。

不正受給

不正受給は、要件を満たしていないにもかかわらず、虚偽の申請や報告をして、国や自治体から不正に給付金や支援金を受給することを指します。身近な例では、新型コロナウイルス感染症に関連する支援金・給付金の不正受給が問題となりました。これについては政府も問題視しており、持続化給付金、家賃支援給付金、一時支援金、月次支援金については、不正受給が認められた人や会社を公表する措置を取りました。

業法違反

業法とは、業種ごとに定められた法律の総称です。身近なものでは、食品衛生法が挙げられます。食品衛生法は食品の汚染や食中毒などを防止し、食品の安全性を確保することを目的に定められた法律です。食品衛生法違反の例としては、認められていない薬品を添加物として使用したり、食品に使用した原材料を表記しなかったりといったことが挙げられます。

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身近なコンプライアンス違反事例

ここまで、ご紹介したコンプライアンス違反の例は、組織単位で行われるような内容も多く、一般社員には想像がつきにくいかもしれません。しかし、一般の社員であっても、コンプライアンスに違反し、重大なトラブルに発展してしまう可能性は十分にあり得ます。ここでは、一般社員にとっても身近なコンプライアンス違反の例をご紹介します。コンプライアンス違反は「知らなかった」では済まされないため、しっかり知識を身に付けましょう。

情報漏えい - SNSや家族との会話に注意! -

情報管理を徹底することは、企業だけでなく働く個人にも求められます。情報漏えいによるコンプライアンス違反の身近な例として、SNSに個人情報や営業情報などの機密情報を投稿してしまったり、社外に持ち出したりする事例が挙げられます。個人情報が入ったUSBメモリを会社から持ち出し、そのまま紛失してしまったというケースも分かりやすい事例でしょう。また、どんなに信頼できる家族や友人、恋人であっても、機密情報を話すことはコンプライアンス違反にあたるため、普段の会話にも注意しましょう。

不正利用 - 備品の私的利用に注意! -

会社の備品や消耗品を社外で私的に利用したり、売却したりすることは悪気がなくてもコンプライアンス違反にあたります。普段使っている備品1つとっても、コンプライアンス違反にあたる恐れがあることを覚えておきましょう。また、簡単に持ち出しやすいデータの不正利用には注意が必要です。不正利用は、窃盗罪や業務上横領罪に問われる恐れもあるため、十分に気を付けましょう。

不正請求 - 経費や残業代の請求に注意! -

不正請求というと企業単位のおおがかりな内容を想像するかもしれませんが、身近にも不正請求のリスクはあります。たとえば、経費や残業代などを実際の金額よりも多く請求することは不正請求にあたります。交通費をきちんと計算せずに請求したり、領収書を改ざんして同僚との飲食を接待費用として請求したりすることが違反の具体的な例です。また、私用の支払いを経費として請求することも不正請求にあたります。

労務問題 - サービス残業に注意! -

残業をする際は就業規則により、上司に報告して許可を取る必要があります。そのため、残業代のために必要のない残業をしたり、上司の許可なく勝手に残業したりすることは、自身だけでなく管理不行き届きとして上司もコンプライアンス違反にあたる恐れがあります。社内の規定を確認して、正しい方法で残業をするようにしましょう。

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コンプライアンスと似た意味の言葉

ここまで、コンプライアンスの例をご紹介しましたが、最後にコンプライアンスと似た意味の用語をご紹介します。それぞれの意味をしっかり理解し区別することで、コンプライアンスという言葉を適切に使いましょう。

コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスとは、「企業統治」と訳され、主に経営者を対象とした監視・取り締まりの体制のことをいいます。コーポレートガバナンスもコンプライアンスも、健全で公正な経営体制を目指すという目的は共通していますが、コーポレートガバナンスは「企業が自らを統制し管理する仕組み」を指すのに対し、コンプライアンスは「社会のルールに従うこと」という意味で使うのが一般的です。コーポレートガバナンスを整えることで、コンプライアンスが強化されるという関係があります。

内部統制

内部統制とは、主に効率的かつ健全な経営を行い、コンプライアンスを徹底するためのシステムのことを指します。そのため、内部統制はコンプライアンスを徹底するための手段といえます。

モラル

モラルとは、主に「倫理」、「道徳」を意味し、法的な拘束力は持たず一般的な常識に従って守るべきものとされます。先ほども述べたように、コンプライアンスには道徳を遵守することも求められるため、モラルを守ることはコンプライアンスを守ることにもつながります。

CSR

CSRとは、「Corporate Social Responsibility」の頭文字を取ったもので、主に企業が社会的に負う責任のことをいいます。この社会的責任は、株主への責任、環境問題への責任、従業員への責任、クライアントへの責任など多岐にわたります。そのため、コンプライアンスを徹底することはこのCSRを果たすために必要といえるでしょう

ひらめくビジネスパーソン

コンプライアンスについてしっかり理解し、徹底しよう

コンプライアンスに違反すると、損害賠償を請求されたり刑事的な罪に問われたりと、大きなトラブルへと発展する恐れがあります。特に、近年ではインターネットの発達により、コンプライアンス違反のリスクが高まっているため注意が必要です。

また、コンプライアンスについてよく理解できていないと、知らないうちに違反してしまうこともあります。そのため、社内の規則や遵守しなければならない法令をしっかり確認しておくことは、社会人にとって必要不可欠です。自社でコンプライアンス研修を実施している企業も多くあるため、積極的に参加し、コンプライアンスに対する意識を高めていきましょう!

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