2024/03/08
ビジネス用語のブラッシュアップとは「既にあるものを磨き上げてさらによいものにすること」を意味し、英語の「brush up」とは意味が異なる言葉です。ビジネスシーンにおいての使い方や、行う際の注意点などを解説します。
ブラッシュアップは英語の「brush up」がもとになったカタカナ語です。英単語としての「brush up」には、「身だしなみを整える」「~を勉強し直す」「~の技術を磨き直す」といった意味がありますが、カタカナ語としてのブラッシュアップは、「既にあるものを磨き上げてさらによいものにすること」という意味合いで使われるのが一般的です。
ビジネスシーンでは、資料や制作物といった目に見えるものだけでなく、企画やアイデア、技術、スキルなどにも、完成度を高める意味合いで使われることがあります。
豆知識ですが、カタカナ語のブラッシュアップの意味を英語で伝えたい場合は、文脈に応じて下記のような表現を使いましょう。
この記事では、ブラッシュアップの意味や類語、注意点などを解説します。実際のビジネスシーンでの使い方もご紹介しますので、仕事で正しく使うことができるように理解を深めましょう。
来週の会議資料だけど、もう少しブラッシュアップが必要だなあ。
(ブラシ…アップ…?)
ブラッシュアップとは、よりよい状態を目指して完成度を高めるという意味だよ。
ブラッシュアップは、磨きをかけて完成度を上げるという意味合いで使われます。「これでいいや」と現状に満足せず、ブラッシュアップを重ねることが成果につながります。ビジネス用語を習得して、あなた自身のスキルもブラッシュアップしていきましょう!
上記で説明した通り、ブラッシュアップとは「既にあるものを磨き上げてさらによいものにすること」を意味します。ただし、何に対して使うのか、シーンによって意味合いが異なります。ここではビジネスシーンごとの意味合いを例文と併せてご紹介します。
アイデアや企画などを見直す場合のブラッシュアップは「磨きをかける」「完成度を上げる」という意味で使われることが一般的です。たとえば、企業との商談前や、一度できた制作物に対して指示を受ける際に下記のような使われ方をします。
<例文>
おおまかな内容が決まったものに対して使われる場合でのブラッシュアップは、「詳細を詰める」といった意味合いです。以下のような使い方をします。
<例文>
既に持っているスキルに対して使う場合のブラッシュアップは、「能力を高める」といった意味です。次のような使い方をします。
<例文>
ブラッシュアップを行う最も大きなメリットは、資料や制作物、企画などの完成度を高められることでしょう。ブラッシュアップは現状のクオリティを改良するための行動ですから、繰り返し行うことで次第によいものが生まれやすくなります。また、ブラッシュアップする際には、課題や修正すべき点を洗い出すため、次に起こすべき行動が明確になります。これにより作業を効率よく行えるようになるというのもブラッシュアップのメリットの1つです。
なお、ブラッシュアップは複数人で行うこともあります。その際活用されるのがブレインストーミングという手法です。ブレインストーミングとは、決められた時間内に量を意識してアイデアを出し合い、それらを組み合わせたり、まとめたりすることを通じてアイデアを生み出していく方法です。ブレインストーミングを使ってブラッシュアップをすると、さまざまな人の視点を取り入れることができるため、より完成度を高められるでしょう。
ビジネス用語としてのブラッシュアップの類語としては、「スキルアップ」「練り上げる」「洗練させる」などが挙げられます。1つずつ見ていきましょう。
スキルアップは、「訓練や学習を通じて自分の能力を向上させること」を指します。ブラッシュアップにも能力を高めるといった意味がありますが、スキルアップの対象となるのはスキルや知識である一方、ブラッシュアップはアイデアや企画なども対象であるという点で異なります。
練り上げるは、「何度も修正して立派なものに仕上げる」といった意味です。練り上げるという表現は、企画や文章、デザインなどに使われるのが一般的で、ブラッシュアップのように能力を上げるという意味合いがないことには注意が必要です。
洗練させるという言葉は「不要なものを削ぎ落して、優れたものを作り上げる」といった意味を持ち、優れたものを作り上げようとするという意味はブラッシュアップと同じです。ただし、洗練させるという言葉は、不要なものを排除するといったニュアンスを含む点と、ファッションや空間なども対象とする点が、ブラッシュアップとの違いでしょう。
ここまで、ブラッシュアップという言葉の意味やメリットを解説しました。ここからは、ブラッシュアップの効果を最大限発揮するために、注意するとよいことを3つご紹介します。
ブラッシュアップは、「現状が最適ではないものをよりよくする」というニュアンスを含みます。そのため、上司や先輩、クライアントなどに「ブラッシュアップしてください」と依頼するのは失礼にあたる恐れがあるため、使わないようにするのが無難です。代わりに「ご再考いただけますでしょうか」といった表現を使うとよいでしょう。ただし、「ブラッシュアップしたのでご確認いただきたいです」と使う分には問題ありません。
ブラッシュアップは、完成度を高めるために現状のものに指摘をすることになるので、否定や批判になってしまいがちです。そのため、改善点を指摘する側は、相手の心理的な負担にならないよう、「Yes,and」を意識しましょう。「Yes,and」は相手のアイデアを否定せず一旦受け入れて、アイデアを付け加える手法です。既にあるものに対して、「いいですね、それならここをこうしたらもっとよくなると思いました」のように、Yes,andでつないでいくと、心理的負担なくブラッシュアップを行えます。もちろん、状況によっては否定せざるを得ないこともあると思いますが、伝え方はできるだけ「Yes,and」を意識するとよいでしょう。
ブラッシュアップを行って修正する際には、ただ指摘されたことを作業的に行うのではなく、修正の意図や目的をしっかり理解して対応することが大切です。ゴールを明確に見据えることで、無駄が減り、作業の効率化が期待できます。
この記事ではブラッシュアップの意味や使い方、行う際の注意点などをご紹介してきました。ブラッシュアップは成果物の質を高めるために重要です。ブラッシュアップを繰り返すことで自分の仕事の質やスキルの向上を目指しましょう。
なお、注意点としてご紹介した通り、ブラッシュアップをする際のコミュニケーションは、気を付けないと心理的負担を生んでしまうことがあります。ご紹介した「Yes,and」を意識しつつ、ブラッシュアップの目的を共通認識として持つことで、気持ちよく仕事を進めましょう!
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