2024/03/29
ペルソナとは、マーケティング用語の1つで、サービスや商品の架空のユーザー像のことを意味します。今回はターゲットとの意味の違いやペルソナを設定することのメリット、設定する際のコツなどを解説します。
ペルソナとは、マーケティング用語の1つで、サービスや商品の架空のユーザー像のことを指します。ペルソナを設定する際は、あたかも実在する人物かのように、年齢や性別・居住地・職業・趣味・生い立ち・価値観などを具体的に決めます。
ペルソナはラテン語で「人」「仮面」を意味する「Persona」が語源で、ギリシャ演劇の用語として使われていました。スイスの心理学者ユングが「人間の外的側面、自分の内側に潜む側面」としてペルソナを定義付けたことによって、心理学の概念としても使われています。マーケティング業界では、この「仮面」・「人間の外的側面」という考え方を広げ、「架空のユーザー像」という意味で使われています。
時代とニーズの変化に合わせて、そろそろペルソナを見直そうかな?
(ぺ…ペル?ペル?ソナ?)
ペルソナね。私たちの商品の具体的な顧客像のことだよ。
ペルソナは自社のサービスや商品を利用している架空のユーザー像のことを指します。年齢や性別、家族構成など、具体的なユーザー像をイメージすることで、マーケティング戦略に役立てています。
上記でご紹介したペルソナの意味を知って、ターゲットという言葉に似ていると感じた方もいるのではないでしょうか?ここでは、それぞれの意味や違いについて解説します。
ターゲットとは、想定される顧客のおおまかなまとまり・集団を指します。ターゲットは、STP分析というマーケティング手法で設定されることがあります。STP分析とは、下記の3ステップの英単語の頭文字の略称です。
ステップ1:Segmentation(セグメンテーション)…市場の細分化
ステップ2:Targeting(ターゲティング)…狙う市場の絞り込み
ステップ3:Positioning(ポジショニング)…競合に対する自社の立ち位置の決定
分かりやすく簡易的に例えたのが下記の図です。この図では、市場を年齢と性別で細分化(Segmentation)したうえで、その中から「30代女性」という集団を選択(Targeting)しています。
一方、ペルソナはターゲットを代表する具体的な人物像のことをいいます。ペルソナが個人に関する詳細な情報であるのに対し、ターゲットは想定顧客(の集団)に関するより簡潔でおおまかな情報であることが多いです。実際の手順としては、ターゲティングしたうえで、さらにターゲットを具体化したいときにペルソナを作成するケースがよくあります。
ここまでペルソナとターゲットの違いについて解説しましが、ここからはペルソナを設定するメリットをご紹介します。
ペルソナを設定することで、顧客像について関係者間で共通認識を持つことができます。商品やサービスの開発にはさまざまな関係者がかかわり合い、連携し合っています。だからこそ、「誰に提供する商品・サービスなのか」という顧客像を関係者全員で認識を合わせることが、プロジェクトを円滑に進めるうえで重要です。つまり、ペルソナは設定するだけでなく、きちんと関係者全員に説明し、理解度をそろえることが大切であるといえるでしょう。
ペルソナを設定し、徹底的に分析することで、ユーザーの課題やニーズを明確にすることができます。また、戦略や施策を進めるなかでも、「このメッセージはペルソナに本当に響くだろうか?」「ペルソナだったらどんな行動をするだろうか?」など、ペルソナの視点に常に立ち返ることで、ユーザー視点を保つことができます。
ペルソナはマーケティングにおいて土台となる重要なものです。より効果的にペルソナを活用できるよう、ペルソナを設定する際のコツを4つご紹介します。
ペルソナは架空のユーザー像ですが、リアリティに欠けると適切な分析ができません。ペルソナは、定量・定性ともに客観的なデータを収集し、根拠を元に設定するようにしましょう。その際に、データの正確性も重要です。データに偏りがないか、十分なデータ量か、収集した時期は古くないか、信ぴょう性があるかなどに注意するとよいでしょう。
「◯◯なら◯◯のはずだろう」という主観や思い込み、先入観でユーザー像を決めてしまうと、現実と乖離が生じてしまいます。間違ったペルソナを設定してしまうと本末転倒なので、先ほどご紹介した「データに基づいて設定する」ことが重要です。
先ほどご紹介した通り、ペルソナの大きなメリットは、関係者間でユーザー像の共通認識を持てることです。だからこそ、資料は分かりやすくまとめることが大切です。ペルソナは具体化するほど項目が多くなり、情報量も増えます。せっかくよいペルソナを設定できても、関係者に伝わらなければ効果を発揮できません。イメージしやすいように写真を使ったり、まとめ方を工夫したりして伝わりやすい資料にすることで、ペルソナの効果を最大限発揮できるでしょう。
ペルソナは一度設定したら終わりというものではありません。実際のユーザーのニーズや性質は社会や時代の変化によって変化するため、ペルソナも随時アップデートしていく必要があります。定期的に見直すことで、正しくユーザーを理解できるでしょう。
ペルソナの設定には、関係者間で具体的なターゲット像の共有が可能になったり、ユーザー視点で商品開発ができたりといったメリットがあります。ペルソナをうまく活用することで、精度の高いマーケティング活動ができるでしょう。自社のマーケティングを見直す際に、ぜひ役立ててみてくださいね。
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