2024/04/02
メタバースとは、インターネット上で構築される仮想空間のことです。仮想と現実を融合させた空間をつくり出すための技術であるXRとは異なります。今回は、メタバースの活用例やメリット、注意点について初心者の方にも分かりやすく解説します。
メタバースとは、インターネット上で構築される3次元の仮想空間のことを指します。メタバースでは、自分自身のアバターを用いたユーザー同士でコミュニケーションを取ったり、イベントやゲームに参加したりなど、空間内で社会生活を送っているかのような体験が可能です。
メタバースが注目されている理由には、主に以下の4つが挙げられます。
近年ではVR技術が急速に発展していることから、必要機器が普及し、メタバースを取り入れるハードルが下がってきています。また、デジタルデータに唯一性を付与するブロックチェーン技術を活用することで資産価値を生み出すNFT技術(非代替性トークン)が実用化されたため、メタバース上での経済活動も行えるようになりました。
さらに2021年には、旧Facebook社がメタバースへの参画を公言し、社名を「Meta」へ変更したことや、新型コロナウイルスの感染拡大を経て、対面での接触機会が減っていることもメタバースが注目されるようになった要因であるといえるでしょう。
総務省の情報通信白書令和5年版によると、世界のメタバース市場(インフラ、ハードウェア、サービスの合計)は、2022年の8兆6,144億円から2030年には123兆9,738億円まで伸びると予測されています。また、日本のメタバース市場(メタバースプラットフォーム、プラットフォーム以外(コンテンツ、インフラ)、XR(VR、AR、MR)機器の合計)は、2022年度に1,825億円となる見込みで、2023年度には3,255億円、2026年度には1兆42億円まで規模が広がると予測されています。※1
※1 出典:「令和5年情報通信に関する現状報告の概要,第2部情報通信分野の現状と課題」(総務省)
最近メタバースについて勉強してるんだ
メタ…バス?何について勉強してるんだろう…
メタバースは、サービスを体験したりコミュニケーションを取ったりするための空間を意味します。一方XRとは、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)の総称で、現実とバーチャルが一体化した空間をつくり出すための技術のことです。XRについてそれぞれ詳しく見てみましょう。
メタバースは、ほかのユーザーとの交流を持つことが目的ですが、XRは基本的に1人で体験することが可能です。メタバース空間を体験するための手法として、XRが用いられるケースがあります。
メタバースをビジネスで活用することのメリットは以下の通りです。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
メタバースを用いることで、音声だけでなくアバターの動きや表情も加わって、よりリアルで豊かな交流ができます。また、1人が一方的に話をする既存のツールと異なり、参加者それぞれが話したい相手を選択して会話できるので、自発的なコミュニケーションを図れます。空間内で複数のグループを作成したり、必要に応じてグループを再編したりすることも可能です。
このように、コミュニケーションが取りやすく自由に会話しやすいというのが、メタバースの大きなメリットです。
臨場感を味わえることもメタバースを活用するメリットの1つです。メタバースは、仮想空間上で現実世界のようにリアルな世界をつくり出すため、まるで現場にいるような臨場感を味わえます。また、アバターを動かし、話したい人の近くに行って話しかけることもできるため、現実世界にいるような感覚で交流できます。
メタバースを利用すれば、いつどこにいても会議やイベントに参加できます。たとえば、出張先からでもメタバース上で行われる会議に出席することが可能になるため、時間を有効に活用できるでしょう。また、メタバースでイベントやセミナーを開催することで、開催場所の設置にかかるコストを削減できるうえ、ユーザーの交通費や移動にかかる負担もなくせます。
メタバースを活用することで、ビジネスの拡大や成長につなげられるケースもあります。たとえば、メタバース上で商品の紹介イベントを行えば、簡単に参加できるので集客力が上がったり、商品の魅力をよりリアルに伝えられたりする可能性があるでしょう。
メタバースをビジネスで活用する際には、メリットだけでなく以下のような注意点もあります。
ここからは、上記の注意点についてそれぞれ詳しく解説します。
メタバースを構築するためには、一定の時間とコストがかかります。社内で構築する場合には、開発コストと開発に携わる人的リソースが必要です。また、外部のサービスを活用して構築する場合には、制作業者への依頼費が発生します。
メタバースには現状、法整備が不十分という問題があります。メタバースは、現実世界を再現した空間であるため、商品取引の際のトラブルや権利侵害など、現実で起こり得るトラブルが発生する恐れがあります。現実では公的機関である警察が対応すべき問題も、メタバースでは企業内での対応が必要です。メタバースを導入する際は、こうしたトラブルに対応できる体制を整えておくとよいでしょう。
企業でメタバースを導入する際は、セキュリティ面の対策が必要になります。特に、機密情報や顧客に関するデータを扱う場合には注意が必要です。また、メタバースでは匿名でアクセスできるケースも多いため、なりすましによる犯罪被害を受ける恐れもあります。セキュリティを強化し、犯罪や事故に巻き込まれないようにすることが大切です。
ここからは、ビジネスにメタバースを活用する4つの事例をご紹介します。
メタバース上に作られたバーチャルオフィスに、アバターを用いて出社することで、まるでオフィスにいるのと同じように働くことができます。新型コロナウイルス感染症の影響により、リモートワークを導入した企業も多いでしょう。完全リモートワーク制を導入していたり、育児・介護などでオフィスに出社できない従業員がいたりする場合でも、同じ空間で働いているかのような一体感を得られます。
イベントにメタバースを活用すれば、既存のツールを用いたオンラインイベントにはない圧倒的な臨場感を与えることができます。たとえば、サービス説明会や商品展示会などでも、まるで主催者とユーザーが対面でコミュニケーションしているような空間をつくり出せるでしょう。
社内研修や新人教育にもメタバースを導入すれば、文字だけでなく、映像でも説明ができるため学習効果がアップします。また、現場での業務体験や機械を扱う業務でも、メタバースであればVRを用いて疑似体験することが可能です。
バーチャルショップとは、仮想空間にショップを構築し、商品やサービスを販売するサービスです。ユーザーは、現実と同様に商品を見たり購入したりできます。また、メタバース空間で商品の試着もできるので、実店舗を訪れているかのようなショッピング体験が可能です。
ここまで、メタバースが注目されている背景やメリット、注意点について解説してきました。メタバースを用いることで、業務の効率化を図ったり、ビジネスの可能性を広げたりすることができます。一方で、ビジネスにメタバースを導入する際は注意すべき点もあり、トラブルが発生しないよう企業内でルールを設けたり、セキュリティ対策を徹底したりすることが重要です。メタバースを上手に活用し、ビジネスの幅を広げていきましょう。
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