2024/04/03

フィードバックとはどのような意味?効果的な方法を分かりやすく解説!

知っておきたいビジネス用語図鑑
#ビジネス用語

ビジネス上でのフィードバックとは、人材育成や課題解決、目標達成などを目的として、行動や結果に対して行われる、指摘・評価のことを指します。フィードバックは、行う側と受ける側が、適切に対応することが重要です。この記事ではフィードバックの詳しい意味や効果的に行う方法について解説します。

目次

フィードバックとは?

ビジネスにおけるフィードバックとは、目標を達成するための行動や結果に対して行われる、指摘・評価のことです。主に上司が部下に対して成長を促進させる目的で、1on1(1対1で行う面談)や人事評価において行うことがあります。

フィードバックを受けた側は自らの課題に気付けるだけでなく、目標達成へのヒントを得ることができます。そして目標達成のためには、相手にフィードバックを仰ぐだけでなく、指摘や評価をしっかりと受け止め、次回に活かすことが大切です。

フィードバックには、プレゼンテーションや資料作成に対する簡単なものから、日々の業務内容に関する評価面談に近いものまでさまざまあります。もちろん、よいことだけでなく改善点を指摘されることもあり、耳が痛い内容と感じる場合もあるでしょう。とはいえ、フィードバックを受ける側がネガティブな反応を示していると、大切な成長の機会を逃すことにもなりかねません。フィードバックを真摯に受け止めて、すぐに実践していく姿勢が、ビジネスパーソンとしての成長へつながります

また、ミスや改善点は自分で気付ける場合もありますが、上司や先輩など、第三者の視点でフィードバックをもらうことで、自分の経験以上のスピードで成長することができるでしょう。

今回は、フィードバックについて、その効果や手法、受ける側のポイントについて解説します。

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打ち合わせ中の様子
 

お疲れさま!この間のプレゼンについて、フィードバックしたいからちょっと待ってて!

 

ヒートアップ?!先輩、怒ってるんですか?!

 

フィードバックね。気になった点や改善点を伝えることだよ!

フィードバックをヒートアップと聞き間違えるビジネスパーソン
フィードバックとヒートアップは音の響きは似ていますが、うっかり聞き間違えると大変です!

仕事をしていると、自分の行動に対して周囲から指摘をもらう機会が増えるでしょう。あなたに伸びしろがあるからこそ、熱くなってついつい先輩のフィードバックがヒートアップすることもあるかもしれませんね。しかし、とても大事なことなので、冷静に落ち着いて相手からのフィードバックを受けてくださいね!

フィードバックの効果

フィードバックにはさまざまな効果があります。どういった効果があるのかを見ていきましょう。

スキルや業績の向上

適切なフィードバックは、フィードバックを受けた側のスキル向上につながります。フィードバックを受ける側の努力や行動の方向性がずれていた場合、フィードバックを行えば軌道修正することができるためです。さらに、フィードバックをこまめに丁寧に行うことで、仕事の精度や質が上がり、中長期的に見れば業績の向上も期待できるでしょう。

モチベーションの向上

フィードバックを受ける側にとって、フィードバックを通して自らの行動や成果を相手に見てもらえる安心感はモチベーションの向上につながります。たとえ、ネガティブな内容のフィードバックであったとしても、相手からの適切なフィードバックによって、受ける側は「次は改善しよう!」「次回こそ評価してもらえるようにがんばろう!」といった新たなモチベーションを引き出せるでしょう。

業績向上を示すグラフと男性

フィードバックの種類

フィードバックは、方向性に応じて「ポジティブフィードバック」「ネガティブフィードバック」の2種類に分けられます。フィードバックを行う側は、それぞれの効果と注意点を理解し、相手や状況に合わせて使い分ける必要があります。

ポジティブフィードバック

ポジティブフィードバックとは、相手の発言や行動の「よい点」を取り上げ、肯定的にフィードバックを行う方法です。自己肯定感を強め、モチベーションを高める効果があります。

ネガティブフィードバック

ネガティブフィードバックとは、相手の発言や行動の「問題点」を指摘し、立て直しを支援するものです。パフォーマンスやスキルの向上など成長を促す効果がありますが、ポジティブフィードバックと比べて否定的な内容であるため、伝え方には注意が必要です。

ホワイトボードを用い課題を検討している様子

フィードバックとフィードフォワードの違いとは?

フィードバックと似た単語に、フィードフォワードというものがあります。それぞれには、どのような違いがあるのでしょうか?

フィードフォワードとは

フィードフォワードとは、未来を見据えた改善点と目標を達成するためのアイデアを話すことをいいます。前向きに未来を変えていこうとする意志や意欲を育てることが狙いです。

フィードバックとフィードフォワードの違い

フィードバックは過去の出来事について評価を行うのに対し、フィードフォワードは未来の予測や目標を踏まえ、何をすべきかアドバイスを行います。フォーカスを当てる時間軸の違いから、フィードバックはネガティブに、フィードフォワードはポジティブな内容になりやすい傾向がありますが、どちらがよい悪いということではありません。フィードバックを行う側は、目的に応じて使い分けることが大切です。

スケジュール管理をする男性とカレンダー

フィードバックの受け方

相手の成長を願って行うフィードバックは、受ける側の姿勢によっても、効果が左右されるでしょう。ここでは、フィードバックを受ける側がどのようなことを意識するとよいのかを解説します。

素直に受け止める

受ける側として大切なことは、フィードバックしてもらった内容を素直に受け止めることです。フィードバックの内容をしっかりと聞き、要点をメモしながら、まずは指摘されたポイントを受け入れましょう。これまで自分になかった視点で第三者から指摘をもらうことができ、新たな気付きとなる場合もあります。

不明点があれば質問する

分からないことがあれば質問し、見解のずれがある場合は自分の意見を簡潔に説明することで、双方が納得できる状態にすることが大切です。ネガティブなフィードバックであったとしても感情的にならずに、誠実に相手に伝えたいことを伝えましょう。

内容を理解する時間を作る

具体的な行動へ移す前に、フィードバックの内容を振り返る時間を確保しましょう。これは、正しく改善策を計画することでフィードバックを最大限に活用するためです。相手からの指摘にはどんな意図が含まれているのか、フィードバックを受けたときに記載したメモを見返しながら、具体的な行動にどう落とし込んだらよいのかを考えます。

行動に落とし込む

まずは、指摘箇所を改善するための行動計画を立てて、上司に確認を取りましょう。上司から了承を得た後は、ひたすら実行に移すのみです。なお、行動の進捗状況やその時点での課題を定期的に上司に報告すれば、フィードバックを行った側も変化が分かり、その後も適切なフィードバックが得られるようになるでしょう。

相手へ感謝する

ネガティブな内容のフィードバックは、行う側にとっても楽なことではありません。自分が成長するために、時間を取って指摘しにくい内容を伝えてくれたということに感謝しましょう。また、フィードバックから得られた成果は、積極的に相手に伝え、感謝の気持ちを行動で表すとよいでしょう。

フィードバックの手法

フィードバックの伝え方には、さまざまな手法があります。フィードバックを行う側は、対象者の性格や伝えたい内容に応じ、次のような手法を使い分けるとよいでしょう。

SBI型

状況を説明したうえで具体的な行動を示し、その行動に対して感想を述べる手法です。Sは「Situation(状況)」、Bは「Behavior(行動)」、Iは「Impact(影響)」を表します。物事を順序立てて伝えられるため、相手が理解しやすいというメリットがあり、ポジティブフィードバック、ネガティブフィードバック両方で使えます。

<例>ポジティブフィードバックの場合
先日のクライアント対応では、緊急だったのにもかかわらず、冷静に判断し対処してくれましたね。おかげで大事に至りませんでした。

このポジティブフィードバックをSBI型で整理すると以下のようになります。

  • Situation(状況):緊急のクライアント対応
  • Behavior(行動):冷静に判断し対処してくれた
  • Impact(影響):大事に至らずに済んだ


<例>ネガティブフィードバックの場合
先日のクライアントとの打ち合わせでは、途中で時間が足りず最後は駆け足の説明になってしまい、あまり伝わらなかったかもしれませんね。次回からは、時間配分に気を付けましょう。

このネガティブフィードバックも上記と同様にSBI型に整理してみましょう。

  • Situation(状況):クライアントとの打ち合わせで時間が足りなかった
  • Behavior(行動):駆け足の説明になってしまった
  • Impact(影響):クライアントが企画内容を十分に理解できなかった

ペンドルトン型

ペンドルトン型は、フィードバックする側とされる側が対話しながら改善方法を探っていくのが特徴です。対話は、「話すことの確認」→「よかった点」→「改善点」→「今後の行動計画」→「まとめ」という流れで進めます。対象者に評価できる点・反省点を自身で考えさせることができるため、より内省を促す効果が期待できます。

以下は、フィードバックする側を上司、される側を部下とした場合の例文です。

<例>

  • 話すことの確認
    上司・部下:前期の売上目標達成率について話しましょう。

  • よかった点
    上司:前期を振り返って、うまくいったことやよかったことは何がありますか?
    部下:新しい施策を取り入れたことで、問い合わせが増えたのはよかったです。売上目標に対して105%達成することができました!

  • 改善点
    上司:目標達成できてよかったですね!新しい施策に挑戦したのも素晴らしいです。改善点を挙げるとしたら、どんなことがありますか?
    部下:そうですね。地域によって問い合わせ数の差が大きく出たため、地域に合ったニーズの把握が必要だと考えています。

  • 今後の行動計画
    上司:お客さまアンケートを実施して、地域ごとに統計を取って分析すると、今後に活かせるかもしれませんね。
    部下:アドバイスいただきありがとうございます。アンケート項目を整理しながら、実施までのスケジュールを考えてご報告します。
2人がディスカッションする様子

サンドイッチ型

サンドイッチ型とは、ネガティブな内容のフィードバックをポジティブな内容のフィードバックで挟み込んで伝える手法です。ネガティブな内容は伝え方に悩みやすいものですが、サンドイッチ型では相手のポジティブな面を先に伝えるため、モチベーション低下や自信喪失を防ぎやすい効果があります。

<例>
先月制作した郵送DMはこれまでで最も反応率が高く、クライアントから感謝の言葉をいただきました。(ポジティブ)ただ、制作にこれまでの2倍の時間がかかっていたので作業の効率化を図ってください。(ネガティブ)デザインも内容もよかったので、テンプレートとしてデータを社内で共有しましょう。(ポジティブ)

フィードバックをより効果的にする方法

フィードバックは、やり方やタイミングを間違えると逆効果になってしまう場合があります。より効果的にフィードバックを行うためには以下のポイントを押さえるとよいでしょう。

具体的に伝える

フィードバックは具体的に伝えることが大切です。内容が抽象的であると、相手にうまく伝わらないことがあります。対象者に対して、何がよかったのか、何が課題なのかといったことを明確に伝えましょう。

すぐに伝える

フィードバックはすぐに行いましょう。自身の取った行動や思考の詳細を相手が忘れる前に行うのが理想的です。時間を空けずにフィードバックをすることで、相手はすぐに改善策を実行できるため、フィードバックの効果が出やすくなります。

目標に結び付ける

フィードバックを行う前に目標を設定しましょう。目標が定まることで、達成までのプロセスに導きやすくなります。対象者もフィードバックの意味を理解しやすくなり、より効率的に行うことができます。

行動に対して指摘する

フィードバックは相手の「行動」のみに絞って指摘をするようにしましょう。特にネガティブフィードバックの場合は注意が必要です。相手の「性格」や「人格」に対して言及すると、生き方そのものを否定しているようになるため、避けましょう。

実現可能なものにする

フィードバックを行う際は、実現が可能であるかどうかを意識して行うようにしましょう。明らかに現実的でないと思われるフィードバックは、かえって相手の意欲をそぐことになってしまいます。

パソコンのデスクトップ上のグラフと女性

フィードバックを積極的に取り入れてみよう!

ビジネスにおけるフィードバックには、スキルや業績、モチベーションの向上など、さまざまな効果があります。しかし、適切に行われなければ逆効果になってしまう場合もあるため、注意が必要です。フィードバックする側はもちろんですが、受ける側も自分の成長のために、ネガティブなことでも真摯に受け止めて、フィードバックの内容を最大限に活かす努力をしましょう。

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