2024/04/05
アジャイルとは、「素早い」という意味を持つ単語です。アジャイル開発という、ソフトウェア開発の手法として用いられることが多く、近年はビジネスにおいても幅広く登場します。今回はアジャイルの意味やアジャイルを導入するメリットについても解説します。
アジャイル(Agile)とは、「素早い」「機敏な」という意味の単語で、ビジネスシーンでは、状況の変化に応じて柔軟に素早く対応することを意味します。特に、ソフトウェア開発における「アジャイル開発」は、ビジネスシーンでよく使われます。また、「アジャイル思考」「アジャイルマインド」など、ビジネスにおいてアジャイルの派生語はさまざまあります。
アジャイルが注目を集め始めたきっかけとして、2001年のアジャイルソフトウェア開発宣言が挙げられます。アジャイルソフトウェア開発宣言とは、ソフトウェア開発のエキスパート17名が、開発手法やそれに対する考え方に対して4つの価値と12の原則を定めたものです。この宣言は、現在に至ってもソフトウェア開発における考え方の重要な軸となっています。
また、近年、トップダウンの組織形態から「アジャイル組織」へと移行する企業やチームが増えています。その背景には、テクノロジーの進化により、世の中の変化が激しくなったことが挙げられます。激しい変化のなかで企業が発展していくには、開発や企画を進行しながらも市場のトレンドや顧客のニーズを素早く反映させたり、修正したりすることが求められています。だからこそ、現場に権限を与え、素早いPDCAを柔軟に実行するアジャイル組織の考え方に注目が集まっているのです。
今回はアジャイル開発で進めていくから、あなたにはAチームのリーダーを務めてもらおうと思ってるんだけどどうかな?
(アジャ、アジア…?アジア諸国に海外進出するのかな?)
アジャイル開発は、ソフトウェア開発手法の1つだよ。(リーダーを任せようと思ってたんだけど大丈夫かな…)
あー!あのアジャイルですね!任せてください!(アジャイルってなんだっけ…)
ここまでアジャイルについて説明しました。次に、ビジネスにおいてアジャイルと併せて頻繁に用いられる用語について解説します。その用語の1つとして、まず冒頭でご紹介したアジャイル開発について解説しましょう。
アジャイル開発とは、システムやソフトウェアの開発手法のことです。アジャイル開発では、機能単位で「計画、設計、実装、テスト」といったサイクルを、従来の手法よりも短期間で行い、そのなかでフィードバックや修正を加えながら複数回繰り返します。また、このような短期間でサイクルを回す開発のことをイテレーションといいます。
アジャイル開発の最も代表的な手法にスクラムというものがあります。スクラムとは、スクラムチームという少数チームを組み、そのチームごとにソフトウェアの開発サイクルを繰り返すことで、チーム全体でソフトウェアを完成させる手法のことです。また、そのチーム内の具体的な業務やその意思決定はそれぞれのチームにある程度任されており、一定の権限は現場に任されていることも特徴です。
さらに、アジャイル開発のもう1つの具体的な手法として、エクストリーム・プログラミングというものもあります。エクストリーム・プログラミングとは、成果物の大幅な仕様変更のリスクを低減させるために、テストや修正の段階に重きをおき、短期間でサイクルを回す手法です。
一方で、アジャイル開発と対比されることが多いウォーターフォール開発は、要件定義の段階で全体の業務やソフトウェアの設計を確定し、事前に決めたものに対して直線的に遂行する手法です。この開発手法では、最初から予算やスケジュールを立てやすかったり、開発がどのフェーズにあるのか把握しやすかったりする一方で、機能や要件を途中で変更しにくいといったことがあります。また、修正が発生した場合、出戻りが大きくスケジュールが大幅に遅れてしまう恐れがあります。
それでは、アジャイル開発にはどのようなメリットや注意点があるのでしょうか?それぞれについてご紹介します。
アジャイル開発を導入する最も大きなメリットは、市場や顧客の要望に対して臨機応変に対応し、ユーザーのニーズに応えやすいことです。特に最近は市場やトレンドの移り変わりが急速になっているため、ユーザー満足度を向上させるには、ニーズに対して柔軟かつ迅速に対応する必要があります。アジャイル開発では開発工程を一気通貫して行うのではなく、小さなサイクルを複数回にわたって回しているため、ウォーターフォール開発よりも途中で修正を加えやすいのです。
また、開発の途中で顧客やユーザーからフィードバックをもらい、反映させることで、ソフトウェアの質を最大限に高めてアウトプットできるようになります。アジャイル開発では、最初から綿密に仕様を決めないため、その場の状況やニーズに合わせやすいのが特徴です。
一方、テストやフィードバックを反映していくうちに、当初想定していた開発の方向性が途中でブレてしまったり、チーム全体で整合性が取れなくなってしまったりするリスクがあります。アジャイル開発では詳細に仕様を決定しない分、基本的なゴールや提供する価値に関してチーム間で共通認識を作り、細かくコミュニケーションを取る必要があるでしょう。
また、詳細には計画を立てず、比較的少数のチームで動くため、各チームの進捗状況やどこでトラブルが発生したのかを把握しにくくなることも注意点として挙げられます。そのため、コミュニケーションをチーム間で密に取るほかに、チームの特性に合わせてバッファを持たせるといった対策も必要です。
項目 | ウォーターフォール開発 | アジャイル開発 |
メリット | ・予算やスケジュールを立てやすい ・現状把握をしやすい | ・柔軟性が高い ・ニーズに応えやすい ・質の高いアウトプットにつながる |
注意点 | ・途中で修正を加えにくい ・時間がかかる | ・方向性がブレることがある ・現状把握をしにくい |
アジャイルは、ソフトウェア開発だけでなく、組織や経営形態に関する用語にも用いられるようになりました。アジャイル組織とは、状況に応じて柔軟に、素早く対応できるような構造をした組織のことです。アジャイル組織はトップダウンではなく、現場に一定の決定権や責任があるため、高速にPDCAサイクルを回しスピード感を保てます。また、企画やプロジェクトの実行中に改善を加えながら完成させることも特徴的です。
さらに、アジャイル組織は比較的小規模な組織であり、そのなかで権力が分散されるため、トップダウン組織よりもよりチームや部門間でフラットな関係を築きやすくなります。フラットな関係を築くことで、意見を出しやすくなったり、お互いにより尊重し合える関係を築けたりといったメリットが生まれます。
そして、全体としての統合を図るために、目的意識や価値観をチームごとに浸透させる必要があるため、トップダウン方式よりも明確なビジョンを共通認識として持てる傾向にあるでしょう。権力も分散されるため、一人ひとりが仕事をジブンゴト化して行いやすくなります。
このようなアジャイル組織は、近年企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進によって、さらに重要視されるようになりました。DXに伴う社内のルールや大きな変革にも柔軟でスピーディーな対応を実現することが必要となっているのです。
ここまで、アジャイルの意味やアジャイル開発、アジャイル組織について解説してきました。アジャイルは市場やトレンドの急速な移り変わりやDX推進において重要性を高めており、今後もビジネスシーンで頻繁に用いられるでしょう。この記事を参考に、アジャイルについての理解を深め、変化に対して柔軟に素早く対応し、自らの市場価値を高めていきましょう!
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