2024/04/23
ブレストとはブレインストーミングの略で、あるテーマに対して自由にアイデアを出し合い、新たな視点や解決策を模索するために用いられる手法を指します。活用の幅は広く、特にビジネスの場面では、新規事業の企画をする会議や、課題を効率的に洗い出すための会議などで活用されます。今回は、ブレストのメリットや手法、コツをご紹介します。
ブレストとは、「ブレインストーミング」を略した言葉で、一般的に1つのテーマについてアイデアを出し、新しい考え方や解決策を出していく手法のことを指します。脳を意味する「brain」と、精力的に行うという意味を持つ「storming」が合わさった造語であり、既存概念や先入観にとらわれず、自由に意見を発散するために行われます。
ブレストは、もともと1953年にアレックス・F・オズボーン氏の著書、『応用想像力(Applied Imagination)』で紹介された思考法です。ビジネスシーンにおけるブレストでは、新たなアイデアを生み出すために複数人で意見を出し合うことが一般的です。
なお、オズボーン氏は自身の著書のなかでブレインストーミングのルールを以下のように定義しました。
現在ではこの考え方をもとに、さまざまな場面で活用されています。
売り上げアップの施策について、まずはみんなでブレストしよう!
(ブレスレット…?)
ブレストとはブレインストーミングの略で、自由にアイデアを出し合って、解決策を探っていくことだよ。質より量が大切だから、気にせず出してみよう!
複数人で取り組むことにより、1人では思い付かないような想定外のアイデアやクリエイティブな発想を生み出せる可能性があるのが、ブレストのメリットの1つです。個人が持っているナレッジ(知識・知見)の量やレベル、発想の視点は人によって異なります。まったく新しいアイデアを生み出すことが得意な人がいれば、あるアイデアをもとにして発想を転換することが得意な人もいるでしょう。多種多様な人が集うことで、各々の持っているナレッジを糧に、さまざまな視点からアイデアやクリエイティブな発想を出すことができます。そのため、新しい企画を生み出したいときやアイデアが行き詰まっているときは、ブレストを取り入れると効果的です。
ブレストは、効果的に活用できれば、さまざまなアイデアを生み出すことができる便利な思考法です。一方で、実りのあるブレストを行うためには、いくつか注意しておくべきポイントがあります。今回は、下記7つのポイントについてご紹介します。
ブレストの目的は、多種多様で自由な意見を発散することです。このような意見を生み出すためには、各々が自由に意見を発言できる環境でなければなりません。意見が否定・批判されるかもしれない環境下では、否定される怖さから萎縮してしまい、なかなか意見を出せなくなってしまうかもしれません。
また、否定・批判は、意見に優劣や正否の区別を付けることにつながります。これにより意見に一定の方向性が生まれてしまい、ブレスト本来の目的が損なわれてしまいます。ブレストを行う際には他人の出した意見を否定・批判しないように心がけましょう。
ブレストにおいて重要視されるのは、課題の解決に対してどれだけ多角的な視点からアイデアを洗い出せるかであり、課題の解決に対してどれだけ具体的かつ質の高いアイデアが出せるかではありません。従って、質より量を意識して、実現可能性や具体性を気にせずに意見を発信することが大切です。
ブレストをする際は、ブレストの目的を明確にすることが大切です。たしかに、ブレストにおいて質より量を意識することは大切ですが、雑談のように何でも話してよいというわけではありません。どのような課題を解決したいからブレストを行うのか、ブレストをした先にどのような議論をしたいのかといった目的を明確にすることで、ブレストを効果的に活用できるでしょう。
たとえば、会社全体の経費削減についてのブレストと、消耗品の経費削減についてのブレストでは、規模も抽象度も異なります。このように、目的の規模や抽象度に応じて得たい成果をイメージすることで、より効果的なブレストができるでしょう。
ブレストを通して、どのような成果を得たいのかイメージすることは大切ですが、それは結論を出すということではありません。ブレスト中に結論を出すということは、課題に対する正解が決まったことを意味します。正否を気にせずに意見を発信するはずのブレストで、正解を示してしまっては本末転倒です。結論はブレストが終わった後に出すようにしましょう。
ブレストでは、アイデアを組み合わせることでより新しく、独創的なアイデアを生み出すことが可能です。複数のアイデアをかけ合わせたり、補足のアイデアを付け足したりすることでより魅力的なアイデアが生まれるでしょう。
先ほどもご紹介したように、ブレストでは目的を持って多くの意見を生み出すことが大切です。一方、多くの意見を出そうと意気込むあまり、長時間にわたってブレストを行うのは、かえって集中力が下がってしまいます。ブレストの司会役であるファシリテーターが、適切に時間を管理することで、より効率的にブレストを行えるでしょう。
ブレストでは、他人の意見を否定・批判しないように心がけるだけでなく、多種多様な意見を尊重する環境の整備など、メンバーの心理的安全性を確保することが大切です。ファシリテーターがこのような環境をうまく整えることで、より効果的なブレストにつながるでしょう。
ブレストで多くのアイデアを出した後は、アイデアを整理し、まとめていくのが一般的です。ここではアイデアをまとめるための一例をご紹介します。
KJ法とは、東京工業大学名誉教授である川喜田二郎氏が考案した手法で、KJとは同氏のイニシャルが由来です。抽象的なアイデアを言語化したり、課題を明確にしたりするために用いられます。
KJ法では、まずブレストで生まれたアイデアを、1つずつ付箋やカードに記入し、それをもとに類似したアイデアをまとめてグループ化します。次に、作成したグループ内のアイデアを一言で表すタイトルを付け、タイトルをもとに関係性のあるグループ同士を近くに配置し、全体におけるグループの位置関係を明確にしていきます。こうすることで、ブレストで生まれたアイデアを言語化・可視化することができます。
マインドマップとは、中心となるキーワードから関連する言葉やイメージをつないでいった放射状の図を指し、1972年にトニー・ブザン氏によって提唱されたフレームワークの一環です。ブレストのみならず、自身の考えを整理する場面などでも活用されています。
方法としては、まず始めに主題となる目的を中央に書きます。次に、主題となる目的から放射状に関連する内容を書き出し、派生させていきましょう。これにより、目的と書き出したアイデアとの関連性を可視化できるほか、中心から遠ざかるほど具体的なアイデアとなるため、全体像の把握を容易に行うことができます。
今回は、ブレストの意味やメリット、活用方法についてご紹介しました。ブレストは、自身の経験や個性を活かす機会でもあります。ビジネスシーンでもよく使う言葉なので、ご紹介したポイントを意識して実施できるとよいでしょう。また、ブレストを複数人でする際は、心理的安全性が非常に大切です。ファシリテーターはもちろん参加者全員が、他者の発言を尊重し、発言しやすい場づくりを意識することで、ブレストの効果をより発揮することができます。ブレストをうまく活用することで業務の生産性を高めましょう!
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