2024/04/26

ロジックツリーとは?種類やメリット、作り方のコツを解説

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ロジックツリーとは、問題解決に用いられるフレームワークの1つです。問題の全体像や思考のプロセスが可視化されるため、解決策や結論の論理性が高まります。今回は、ロジックツリーのメリットや種類だけでなく、作成方法をご紹介します。

目次

ロジックツリーとは?

ロジックツリーとは、物事を要素や原因に分解してツリー状に構造化していくことで、問題の原因や解決策を導き出すフレームワークです。物事が要素や原因に分解されていく図式が、木の枝が広がっている姿に似ていることからこのように名付けられました。この記事ではロジックツリーの種類とメリットだけでなく、作り方やそのコツを解説していきます。

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ロジックツリーってどんな木?

 

まずはロジックツリーで原因を整理してみてね。

 

(ロジック…ツリー?)

 

ロジックツリーとは、問題解決への糸口や原因を探る際に用いるフレームワークだよ。この場合、なぜ?を繰り返して論理的に原因を深堀りするツリーを作ってねということだよ。

ロジックツリーと聞いてクリスマスツリーを思い浮かべるビジネスパーソン
ビジネスシーンで頻出の「ロジックツリー」。ただの木を思い浮かべないように!

ロジックツリーは、何か原因や解決への糸口を探る際によく使用されるフレームワークです。複雑なことも、ロジックツリーを使うと思考を整理することができます。業務においてさまざまな場面で使えるため、覚えておくとよいでしょう!

ロジックツリーの種類

ロジックツリーの種類には以下の4つがあります。

  • 要素分解ツリー(Whatツリー)
  • 原因追求ツリー(Whyツリー)
  • 問題解決ツリー(Howツリー)
  • KPIツリー


1つずつ詳しく解説していきます。

要素分解ツリー(Whatツリー)

要素分解ツリーとは、ある物事を構成要素に分解するロジックツリーです。分解されて出現した構成要素は、分解されるにつれて具体的な要素になっていきます。たとえば「顧客」を構成要素に分解すると、「新規顧客」、「既存顧客」に分けられます。

そこからさらに、新規顧客は、「Webで獲得した顧客」、「リアルで獲得した顧客」といった獲得チャネルに分けることができます。さらに、「Webで獲得した顧客」を、「Web広告」、「自然検索」、「メルマガ」…といった具合で具体化することができます。また、既存顧客は、購入回数で分解したり、性別や年齢で分解したりと、要素を細かく分解することができます。

要素分解ツリーの例

原因追求ツリー(Whyツリー)

原因追求ツリーとは、ある事象の根本的な原因を探るときに用いるロジックツリーです。事象に対して考えられる原因を列挙して、その原因が発生した理由を深掘りすることでツリー状に広がっていきます。たとえば、「ある飲食店での売上が下がった」という事象に対する原因として、「客数が減った」、「客単価が下がった」という原因が考えられます。

そこから「客数が減った」ことの原因としては、「周辺に新しいレストランがオープンした」、「そもそも外食する人が減った」というような外部要因や、「店舗の宣伝を減らした」、「値上げをした」といった内部要因に分解することができます。このように原因追求ツリーは、挙げられた原因から、「根本的な原因が何なのか」を分析できます。

原因追及ツリーの例

問題解決ツリー(Howツリー)

問題解決ツリーとは、解決したい問題や達成したい目標に対して、どのような手段を選択するかを検討するためのロジックツリーです。問題解決ツリーでは、図式の中で上位が目的、下位が手段という関係性で、目的を達成するための候補を洗い出します。たとえば、「月間の残業時間を減らす」という問題に対して、「1日当たりの仕事量を調整する」、「1人当たりの仕事量を調整する」、「業務の質を改善する」という手段が考えられます。

さらに、「業務の質を改善する」ためには、「作業スピードを上げる」、「業務時間内の無駄を減らす」などが手段として挙げられます。このプロセスを繰り返すことで、実行レベルまで手段を具体化することができます。問題解決ツリーは、必ずしもMECEになるとは限りません。

問題解決ツリーの例

KPIツリー

KPIツリーとは、課題解決や目標達成をするために数値指標を分解するロジックツリーです。ツリーの最上位はKGI(重要目標達成指数)で、中間目標となるKPI(重要業績評価指数)が下層で分岐してツリーが展開されます。

KGI(重要目標達成指数)とは、Key Goal Indicatorの略で、企業が目指す最終的な数値目標を指します。KPI(重要業績評価指数)はKey Performance Indicatorの略で、目標達成のためのプロセスにおける達成度を評価するための中間指標です。

例としてKGIを「売上」としたとき、第2階層は「購入者数」、「購入単価」となり、購入者数をさらに分解すると「新規購入者数」、「既存購入者数」となります。さらに、新規購入者数は「購入率」と「新規来訪者数」、既存購入者数は「リピート率」と「既存購入者数」に分解することができます。このように、KPIを構造化し、さらに実際の数値を当てはめて試算することで、最終目標の達成に向けて何が問題になっているか、目標達成に向けてどのような数値を改善する必要があるかが分かります。

KPIツリーの例

ロジックツリーのメリット

ロジックツリーを用いるメリットはさまざまありますが、今回は下記5つについてご紹介します。

  • 全体像が把握できる
  • 問題を深掘りし、原因を特定できる
  • 優先順位を決めやすい
  • 解決策の質が上がる
  • 主張の説得力が増す 

全体像が把握できる

ロジックツリーを使うことで体系的に物事が整理され、全体像を把握しやすくなります。また、全体像が明らかになることで、客観的な視点で物事を捉えやすくなり、さまざまな解決策を検討できるようになるでしょう。

問題を深掘りし、原因を特定できる

「問題を原因に分解し、そこからさらなる原因や要素に深掘りして分析する」という思考のプロセスが可視化され、原因が特定しやすくなります。漠然と考えるよりも深掘りした分析ができるため、根本的な原因を見つけやすくなります。

優先順位を決めやすい

ロジックツリーを活用して問題解決に取り組むことで、複数ある解決策の中でどれから実行するべきか、優先順位を立てやすくなります。解決策が導き出された過程を把握できるため、問題解決に効果的な方法を選択しやすくなるでしょう。

解決策の質が上がる

ロジックツリーを活用して解決策を検討することで、解決策の質も向上するでしょう。物事を体系的に構造化するプロセスを通して、本質的な原因を見つけることができたり、原因に対して飛躍した解決策を選ぶことを防げます。

主張の説得力が増す

ロジックツリーは結論に至るまでの思考のプロセスが可視化されるので、意見を伝える際に周囲への説得力が増します。ロジックツリーを説明すれば、「なぜそう考えたのか?」を説明しやすく、足りない視点を補ったり修正する作業も効率的に行うことができます。

ホワイトボードと付箋を使って話し合う2人のビジネスパーソン

ロジックツリーの作り方とコツ

ロジックツリーを活用できるようになるためには、作り方を理解することが重要です。ここでは、ロジックツリーの作り方とコツを3つご紹介します。

  • 全体のテーマを明確にする 
  • 要素を分解する切り口を決め、MECEに要素を書き出す
  • 飛躍に気を付けて分解を続ける

全体のテーマを明確にする

ロジックツリーは、全体のテーマを明確にしてから作成します。何をテーマにするかを明確にしなければ、どんなふうに分解して構造化するべきかあやふやになってしまうからです。たとえば、「売上が減少しているのはなぜか」というテーマと「利益が減少しているのはなぜか」というテーマでは、深堀りの内容が異なります。

また、ご紹介した4つのロジックツリーのうち、どれを作るべきかも、テーマによって異なります。全体のテーマや分析の目的を明確にし、どの種類のツリーを作成するべきか考えることが重要です。

要素を分解する切り口を決め、MECEに要素を書き出す

テーマとロジックツリーの種類が決まったら、要素への分解を始めます。分解する切り口はさまざまなので、どのように分解するか悩む方もいるでしょう。スムーズに結論を導き出すコツは、仮説を立てて分解することです。「○○が関係しているのではないか」、「もしかすると○○かもしれない」など、仮説を立てることで新たな切り口に気づきやすくなり、より多くの要素を出すことにつながります。

また多くの要素を出していくうえで、MECEを意識することが重要です。MECEとは、下記の頭文字をとった造語で、「漏れなく、ダブりなく」という状態を意味します。

  • Mutually(互いに)
  • Exclusive(重複なく)
  • Collectively(全体で)
  • Exhaustive(網羅的な)


要素に漏れがあると、導き出した結論の説得力が下がるので、特に同じ階層で要素が網羅的に洗い出されているか注意しましょう。

飛躍に気を付けて分解を続ける

ロジックツリーを作成しても、結論に至るまでのプロセスに飛躍があると、出た結論の説得力が弱まります。意識するべきことは、上下に結ばれる要素同士が因果関係にあり、横軸が包含関係になっているかです。これらの関係性がないロジックツリーから出た結論は、納得感が低くなりやすいため注意が必要です。

鉛筆を持ってチェックマークを付けるビジネスパーソン

ロジックツリーを業務に活かそう!

慣れないと、ロジックツリーの作成は容易ではありません。しかし、繰り返し練習したり、上司や先輩にフィードバックをもらったりしながら、数をこなすことで上達します。

仕事における意思決定の場面で、「納得度」はとても大切です。納得度は、論理性と比例して高まる傾向にあります。ロジックツリーを活用して意見を聞く側の納得度を高め、ビジネスを円滑に進めましょう!

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