2024/05/15
フィックスとは、英単語の「Fix」が由来のカタカナ語で、「修正、確定、固定」といった意味があります。ビジネスシーンでは業界によって独特の使い方をする場合もあり、注意が必要です。今回はフィックスの意味だけでなく、業界ごとの意味、使い方をご紹介します。
フィックスとは、主に「修正、確定、固定」といった意味の外来語です。英語の「Fix」をカタカナ読みしたもので、英語圏では上記の意味のほか、「(飲食物を)用意する」といった意味合いでも使われます。
このようにさまざまな意味を持つフィックスですが、ビジネスシーンにおいては「確定する」「決定する」というニュアンスで使われることが一般的です。ただし、業界によって意味や使われ方が異なる場合もあるため注意が必要です。
フィックスの反対語としては、「ペンディング」や「リスケ」などがあります。ペンディングとは、英語の「Pending」のカタカナ語であり、保留という意味です。リスケはリスケジュール(Reschedule)の略であり、決まった予定を変更する場合に用いられます。
これがフィックスした契約内容だよ。
え?ファックス?
ファックスじゃなくて「フィックス」だよ!フィックスとは、一般的に確定や決定の意味で使われる言葉だよ。
先ほどもご紹介した通り、フィックスには主に「修正、確定、固定」といった意味があります。それぞれの意味について、ビジネスシーンで使う場面やそれらの例文について、1つずつ見ていきましょう。
確定の意味合いでフィックスが使われるのは、スケジュール調整が確定した場面や、企画や戦略について議論したことが定まった場面です。また、資料に対して使うケースもあります。たとえば、下記のような使い方をします。
フィックスには、「固定する、固定された」という意味もあります。使い方の例としては、固定費を意味するフィックスドチャージ(Fixed charge)や、定価や定額制を意味するフィックスドプライス(Fixed price)などで、名詞として使われることが一般的です。
IT業界では、フィックスが修正の意味で使われることがあります。たとえば、プログラムやアプリなどに不具合があり、それを修正、改修するといった場面です。「プログラムのバグをフィックスする」といった使い方をします。
また、Fixは英語圏では「修理」という意味合いでも広く使われるので、英会話の場面では注意が必要です。
ここまでご紹介したように、ビジネスシーンにおいて、フィックスの意味は1つではありません。業界によっては英単語としてのfixに近い意味合いで用いられることもあります。ここからは、業界ごとの特徴的な使い方を見ていきましょう。
IT業界では、「プログラムのバグをフィックスする」といったような、「修理する」という意味でフィックスが使われます。ただし、プログラムやソフトウェアなどの開発のケースでは、「仕様をフィックスする」のように確定するといった意味合いで使われることもあるので、場面によってどちらの意味で使われているのか注意が必要です。
金融業界では、外国為替取引をするうえでの指標となるレートを確定するという意味でフィックスが使われることがあります。「東京フィキシング(Tokyo fixing)」や「ロンドンフィキシング(London fixing)」という、各市場でレートを確定する時間を指す言葉もあります。東京フィキシングは9時55分、ロンドンフィキシングはロンドン時間の16時(サマータイムは15時)で、この時間は売り買いが活発に行われ、為替の変動が激しい傾向があります。
なお、金融業界では、FIXプロトコルと呼ばれる用語もあります。FIXプロトコルとは、金融取引に関する電子的なやりとりにおける統一的なコミュニケーションプラットフォームのことです。この用語のFIXとは、Financial Information Exchangeの略称であり、今回ご紹介しているフィックスとは異なる言葉であるため注意しましょう。
航空業界では、「確定」の意味でフィックスが用いられ、「フィックスチケット」や「フィックスオープンチケット」などが分かりやすい例です。フィックスチケットとは、航空券予約後は一切変更ができないチケットです。対してフィックスオープンチケットとは、復路便のみ日程や搭乗便の変更が可能なチケットのことを指します。
建築業界では、「固定」という意味でフィックスが使われることがあります。「この窓はフィックス窓だ」といった使われ方をし、フィックス窓とは開閉ができない固定された窓のことを指します。
映像業界でのフィックスはカメラを固定し、撮影することを意味します。「このカットはフィックスで撮る」のように用いられます。
インプラントをする際に、インプラントを歯茎に固定するねじのことを「インプラント体」といい、「フィクスチャー」とも呼ばれます。このように、歯科業界では固定の意味でフィックスが使われます。
ここまで、フィックスにはさまざまな意味があり、業界によって特徴的な使われ方もあることをご紹介してきました。ここからは、フィックスを使う際に注意したほうがよい点を2つご紹介します。
フィックスの意味合いや業界ごとの使われ方はさまざまであるため、自分の意図した意味で相手が受け取ってくれるとは限りません。たとえば、修正と決定では意味が真逆であり、大きな齟齬が生まれてしまいます。特に、メールや文書は実際の会話と異なり、文脈を読み取ることが難しい場合があるため、日本語に言い換えて伝えるようにしましょう。
フィックスに限ったことではありませんが、このようなカタカナ用語は、相手や状況によってはマナー違反と捉えられたり、伝えたい意図が伝わらなかったりする場合があります。そのため、相手や状況に合わせて「修正、確定、固定」といった言葉に言い換えましょう。
今回はフィックスの意味や業界ごとの使い方、注意点についてご紹介してきました。特にビジネスシーンでフィックス(決定)の合意をしっかり取ることは重要であるといえます。というのも、決定の合意を明確に取ることで、進捗の目線を合わせたり、認識の齟齬を防いだりすることができるためです。
たとえば、「これでフィックス(決定)とさせていただきます」「これをフィックス(決定)として進めてよいでしょうか?」など、相手から合意を取りながら進めるとよいでしょう。先ほどご紹介した注意点を踏まえながら、適切に使いこなしてくださいね。
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