2024/05/29
スコープとは、ビジネスにおいては「作業範囲、領域」を意味し、主にプロジェクトマネジメントに関する用語として使われています。今回は、スコープを用いたビジネス用語や使い方について分かりやすく解説していきます。
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スコープ(Scope)とは、日本語で「範囲、領域」と訳され、ビジネスにおいては主に「作業範囲」を意味します。なお、プロジェクトマネジメントにおけるスコープとは、プロジェクトを適切に管理するために、実施するタスクの範囲や期間・期限などを具体的に設定することを指します。また、IT業界ではプログラミング用語としても用いられ、コード内で変数や関数が与える「影響範囲」を指すことがあります。
今回は、ビジネスシーンにおけるスコープについて解説していきます。スコープはプロジェクトを効率的に進めるために必要不可欠であるため、しっかり理解して今後の業務に活かしていきましょう。
これでプロジェクトのスコープは決まったから、関係者に共有しておいてね
(スコ…スコップ…?)
スコープとは、作業範囲や領域のことだよ
ビジネスシーンにおいて、スコープは主に作業範囲のことを指します。仕事を進めるにあたり、スコープを明確にして関係者で共有することはとても大切です。プロジェクトマネジメントにおいて重要な考え方なので、しっかり意味を理解してビジネスパーソンとして成長しましょう!
まずは、ビジネスシーンにおける使い方の例を解説します。それぞれの用語の意味や違いを理解して、使い分けられるようになりましょう。
スコープマネジメントとは、定めた目標・ゴールを達成するために必要な作業工程を洗い出し、タスクを着実に行えるようマネジメントする進行管理方法を指します。これにより、必要な作業の漏れや重複を防ぎ、効率的に業務を遂行できます。また、プロジェクトの方針や進行方法を明確にし、関係者らに共有することで、一体感を高められるメリットがあります。
なお、スコープマネジメントで設定するスコープは主に以下の2種類があります。
プロダクトスコープ(成果物スコープ)では、プロジェクトによって生み出される成果物の定義を設定します。たとえば、製品のコンセプトやターゲット、機能要件などがプロダクトスコープの要素として挙げられます。プロダクトスコープを具体的かつ明確に定めることで、目指すべき方向性やゴールが明確になるのです。
プロジェクトスコープ(作業スコープ)では、目標やゴールに向けていつまでにどのような作業が必要なのかを洗い出して、具体的なものにします。やるべきことと、やらなくてよいことを明確にすることで、必要な作業を過不足なく行うことができます。その際に、プロジェクトに関わる関係者ら(ステークホルダー)とプロジェクトスコープを共有し、認識の齟齬をなくすことが大切です。
また、スコープマネジメントは、プロジェクトマネジメントの世界的な標準規格となっているPMBOK(ピンボック)で、プロジェクトを成功させるための最重要項目に位置づけられています。
上記でご紹介したスコープマネジメントでは、「スコープ検証」を行って業務を管理します。スコープ検証とは、プロジェクトの目標やゴールと成果物がずれていないか、顧客やスポンサーを含めて行うチェックのことです。
PMBOKによると、スコープコントロールは「プロジェクト・スコープとプロダクト・スコープの状況を監視し、スコープ・ベースラインへの変更をマネジメントするプロセス」と定義されています。※1 もし成果物に不具合があった場合はスコープコントロールを随時行うことで、作業範囲や計画を更新しながら成果物の品質を高めていくことが可能になります。
※1 出典:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド PMBOKガイド 第6版、715頁
プロジェクトスコープ記述書とは、決定したプロジェクトスコープを明記したものをいいます。PMBOKでは「プロジェクトのスコープ、主要な成果物、前提条件や制約条件を記述した文書」と定義されています。※2 また、一般的にプロジェクトスコープ記述書をもとにWBSを作成します。WBSとは、ワーク・ブレークダウン・ストラクチャーの略称で、「作業分解構成図」を意味します。プロジェクトスコープ記述書の作成だけでなく、WBSでプロジェクトをツリー上にして管理することで、タスクのスコープや全体像が分かりやすくなり、問題が発生しても状況判断を行いやすくなるのです。
※2 出典:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド PMBOKガイド 第6版、729頁
ここまでスコープの意味やスコープを使った用語について解説してきました。ご紹介した通り、スコープの設定はプロジェクトを適切に管理するために重要です。ここでは、スコープマネジメントを行う際に特に気を付けておきたいポイントを2つご紹介します。ポイントを押さえ、マネジメントスキルの向上を図りましょう。
スコープを詳細に設定する前に、プロジェクトの目標やゴールを明確にしておきましょう。これらが明確に定まっていないと、適切なスコープを設定することができません。また、プロジェクトの途中でスコープの修正作業が発生する恐れもあります。
スコープを設定したら、プロジェクトを開始する前にプロジェクトスコープ記述書を作成し、関係者に確認してもらいましょう。先に同意を取っておくことで、顧客との意見のずれや確認漏れがなくなり、トラブルを防ぐことができます。また、文書化しておくことで、プロジェクトの途中で何か問題が生じた際にスコープをコントロールしやすくなります。
次に、ビジネスシーンでのスコープの使い方をご紹介します。これらの例文を参考に、実践的に活用しましょう。
「スコープを設定する」という使い方は、スコープマネジメントにおいてプロダクトスコープやプロジェクトスコープを決める際に用いられます。例文は以下の通りです。
〈例〉
スコープ外という言葉は、あらかじめ決められた作業範囲ではないタスクのことをいいます。スコープ外を用いた例文として、以下のようなものがあります。
〈例〉
スコープを可視化するとは、先ほども述べたプロジェクトスコープ記述書やWBS(作業分解構成図)を用いてスコープを文書や表にすることをいいます。このようにスコープを可視化することで、プロセスの全体像が見え、プロジェクトを管理しやすくなることや、プロセスについて関係者間で共通認識を持てることなどのメリットがあります。例文は以下の通りです。
〈例〉
今回は、スコープという言葉の意味を解説しました。ビジネスシーンにおいてスコープという言葉は、主にプロジェクトマネジメントの場面で使われる傾向があります。また、先述の通り、プロダクトスコープやプロジェクトスコープといったさまざまなスコープを用いた用語があるため、混同しないよう注意が必要です。プロジェクトを成功に導くためにスコープの意味を正しく理解し、プロジェクトマネジメントのスキルを磨いていきましょう!
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