2024/03/11

ソフトスキルとは?具体的な例やハードスキルとの違いを解説

はたらくを考えるヒント
#キーワード解説#スキルアップ

ソフトスキルとは、仕事を進めていくうえでベースとなる個人の特性や能力のことです。ハードスキルと比較して汎用性が高く、生活のなかで自然に身に付くものもあります。この記事では、ソフトスキルとは何か、ハードスキルとの違いは何か、また鍛える方法について解説します。


ソフトスキルとは

ソフトスキルとは、仕事を進めていくうえでベースとなる個人の特性や能力のことです。例として、コミュニケーション能力やマネジメントスキルなどが挙げられます。ソフトスキルの種類は幅広く、さまざまな解釈があります。生活のなかで自然に身に付くものもあり、意図的に習得しようとしたり、数値やデータで明確に評価したりすることが難しいスキルもあります。

ソフトスキルは政府からも注目を集めています。経済産業省は「人生100年時代」「第四次産業革命」などの社会変化を踏まえ、社会全体として人材の最適配置が行われることを目指し、「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」を設置しており、この研究会の公表した報告書には、産業・企業全体を俯瞰した際に必要なスキルとして、ソフトスキル・非認知能力が挙げられました。

また、ソフトスキルに限らず、スキル獲得といった文脈で注目されているのが、リスキリングやリカレント教育です。以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみてください。


※1 出典:「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」(人材力研究会)報告書(経済産業省)

ビジネス コミュニケーション

ソフトスキルとハードスキルの違い

ソフトスキルと対照的な言葉として、ハードスキルという言葉があります。ハードスキルとは、業種や職種ごとに必要とされる、専門知識や技術といった特定の分野で発揮する能力のことです。ハードスキルは客観的な評価がしやすく、たとえば資格や試験のスコアなどでレベルを可視化しやすいという特徴があります。また、ハードスキルは習得するための道筋やプロセスが明確である傾向があります。ほかにハードスキルとソフトスキルではどのような点が異なるのか見ていきましょう。

ソフトスキルは数値で評価しにくい

ソフトスキルはハードスキルと比べると、数値で評価がしにくいのが特徴です。ハードスキルは前述の通り、数値や資格の有無で評価がしやすいスキルです。一方ソフトスキルは、コミュニケーション能力のような数値による計測が難しいスキルが多く含まれます。

ソフトスキルは汎用性が高い

ソフトスキルは、ハードスキルと比較して汎用性が高いという点もポイントです。ハードスキルは特定の分野で発揮する能力を指すため、転職や部署の異動などで業務内容が変わると使えなくなってしまうスキルもあるでしょう。それに対して、ソフトスキルは、業務内容や職場の環境が変わったとしても必要なスキルであり、一度習得すると、ほかの仕事でも応用できるケースが多くあります。

ソフトスキルは経験で培われる

ハードスキルは、座学や読書によって専門知識を覚えたり、ノウハウを習得したりすることがしやすい傾向があります。一方でソフトスキルは、経験で自然に培われるものも多くあり、座学や読書のみでは習得が難しいスキルもあります。たとえば、コミュニケーション能力を向上させるためには、実際に人とコミュニケーションを取ることが必要です。

もちろん、勉強や読書をすることでソフトスキルを身に付けることができる場合もありますが、ソフトスキルの多くは、実際に経験することで培われていきます。ソフトスキルを身に付けるためには、日々の生活から実践することが大切です。

打ち合わせのシーン

ソフトスキルの例

先ほどもお伝えした通り、ソフトスキルにはさまざまな解釈があり、幅広い能力が含まれています。ここからはソフトスキルの代表的な例として、下記の7つについてご紹介します。

  • コミュニケーション能力
  • マネジメントスキル
  • リーダーシップ
  • 時間管理能力
  • 自発性・主体性
  • 学習意欲
  • 心の知能指数(EQ)

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は相手との意思疎通や情報共有をスムーズに行うための技術や能力のことです。上司やクライアントとの連絡や会議の進行、プレゼンテーションなど、ビジネスシーンにおいてコミュニケーション能力は欠かせません。コミュニケーションは双方向のやりとりであるため、話す力だけでなく、聴く力も含みます。

マネジメントスキル

マネジメントスキルもソフトスキルの1つです。マネジメントスキルとは、物事を管理する能力のことで、特にビジネスシーンでは、部下の管理に加えて、資金や資源、設備などをうまく活用する能力が求められます。

リーダーシップ

リーダーシップとは、チームを統率し、目標達成のためにチームのメンバーを引っ張っていく能力のことを指します。リーダーシップは、組織として何か成し遂げるために欠かせない能力です。リーダーシップを発揮するためには、メンバーとのコミュニケーションを密に取ったり、現状を把握したり、ときにはチーム全体のモチベーションを向上させたりと、多くの能力が必要になります。

時間管理能力

時間管理能力は、タイムマネジメントスキルともいい、業務を円滑に進めるために重要なソフトスキルです。業務にどの程度の時間がかかるか、どの配分で行えばよいか、いつまでに終わらせる必要があるかなど、業務を効率的に進めるために時間を管理する能力のことで、立場に関係なく、どのような環境でも役に立つスキルです。時間管理能力を習得するには、綿密なスケジュールを立てたり、達成目標時間を設定したり、普段から時間を管理することを習慣づけるとよいでしょう。

自発性・主体性

自発性や主体性も、特にビジネスシーンにおいて重要なソフトスキルの1つです。自発性や主体性とは、指示を待つのではなく、自ら考え、進んで行動することです。主体的に動かないことには、上司からの信頼を得られないでしょう。どのような職種でも、自分のやるべきことは何か、自分ができることは何かを考え、責任を持って主体的に行動することが大切です。

学習意欲

ビジネスシーンにおいて、学習意欲があることも大切な資質・能力の1つです。たとえば、仕事のパフォーマンスを上げるために、業務に役立つ書籍を読んだり、社会情勢や流行を知るために新聞を読んだり、ノウハウを得るためにセミナーに参加してみたりなど、自ら率先して学ぶ姿勢は、ビジネスパーソンとしての成長に欠かせません

心の知能指数(EQ)

心の知能指数とは、他者や自分の感情を理解したり、自分の感情をコントロールしたりできる能力のことです。英語での表記である「Emotional Intelligence Quotient」を略してEQとも呼ばれています。心の知能指数の高い人は、自分の感情に支配されることなく行動できるため、トラブルが起きたり失敗したりしても、すぐに気持ちを切り替え、冷静に対処することができます。また、他人の感情を読み取ることに長けている人は、職場で周囲の異変に気付けたり、クライアントの要望を察知できたりするため、心の知能指数は仕事のうえで大切なソフトスキルといえます。

ソフトスキルは未来に向けて重要度が増す

ソフトスキルは将来、今まで以上に重要視されることが予想されています。各国のリーダーが連携し、グロ-バルな課題の解決を目的とする世界経済フォーラムが公表した「仕事の未来レポート2023」によると、企業はテクノロジーの進歩によって、従業員のコアとなるスキルが現在から2027年にかけて大きく変化すると予測しています。以下のスキルが、今後5年で重要度がさらに増加すると考えられているスキルのトップ10です。※2

  • 2023年~2027年で最も重要なスキルのトップ 10
  1. 分析的思考
  2. 創造的思考
  3. 回復力、柔軟性、機敏性
  4. モチベーションと自己認識
  5. 好奇心と生涯学習
  6. テクノロジーリテラシー
  7. 信頼性と細部へのこだわり
  8. 共感と積極的な傾聴
  9. リーダーシップと社会的影響力
  10. 品質管理

重要なスキルトップ10

※出典:The Future of Jobs Report 2023(World Economic Forum)

トップ10のスキルを見ると、モチベーションと自己認識(心の知能指数)や好奇心(学習意欲)などといった、ソフトスキルも多くランクインしています。また、「仕事の未来レポート2023」の調査によると、雇用主は今後より一層ソフトスキルを重視するという結果も出ています。

AIやテクノロジーの急速な発達による社会の変化に対応するために求められるのが、ソフトスキルを持ち合わせた人材です。今後もこのような傾向は続き、ソフトスキルの重要性はさらに増すと予想され、今以上に必要とされる能力になる可能性が高いでしょう。

※2 出典:Future of jobs 2023: These are the most in-demand skills now - and beyond(World Economic Forum)

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ソフトスキルを鍛える方法

ソフトスキルを鍛えるにはどのようにすればよいでしょうか?先述の通り、ソフトスキルを習得するには、知識をインプットをすることだけでなく、実際に経験することが大切です。ソフトスキルを鍛える具体的な方法はさまざまありますが、たとえば下記のような例が挙げられます。これ以外の方法もありますが、取り組みやすいものから試してみるとよいでしょう。

  • ソフトスキルが高い人を観察して真似する
  • コミュニケーションの頻度を多くする
  • 先輩や上司にアドバイスをもらう
  • リーダー役に立候補し、人を引っ張る経験をする
  • チームワークを大切にする
  • 計画やスケジュールを立てる習慣を作る
  • さまざまなことに興味を持って行動する
  • 指示をもらう前に自分で考えて行動する
  • 学習サービス、動画、書籍を用いて学習する
  • 会社の研修に参加する
  • コンフォートゾーンから抜け出して新しいことに挑戦する

ソフトスキルを鍛えて活躍しよう!

ここまでソフトスキルについて解説してきました。ソフトスキルは汎用性が高く、AIやテクノロジーが発達していく将来、より一層必要性が高まるスキルです。そのため、若いうちから身に付けておくことで仕事の幅や働き方の選択肢が広がり、今よりもレベルアップしたキャリアを歩めるようになるかもしれません。ソフトスキルを鍛えて、これからの時代に活躍できる人材になりましょう!

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この記事を監修した方

後藤 宗明

さん

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事 チーフ・リスキリング・オフィサー / SkyHive Technologies 日本代表

早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ銀行)入行。2002年、グローバル人材育成を行うスタートアップをNYにて起業。2011年、米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人設立に尽力。2021年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。日本全国にリスキリングの成果をもたらすべく、政府、自治体向けの政策提言および企業向けのリスキリング導入支援を行う。著書『自分のスキルをアップデートし続ける「リスキリング」』(日本能率協会マネジメントセンター)は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」イノベーター部門賞を受賞。2023年9月に続編『新しいスキルで自分の未来を創る「リスキリング実践編」』を上梓。

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