2024/03/21

リスキリングでプログラミングを学ぶには?おすすめの理由や注意点について解説

はたらくを考えるヒント
#リスキリング#IT#キャリア形成

リスキリングとは、新しい職種に就くために、今の仕事とは異なる領域のスキルを身に付けることです。現在では、プログラミング学習をリスキリングとして検討している方も多いのではないでしょうか?この記事では、リスキリングでプログラミングがおすすめの理由や、おすすめのプログラミング言語、注意点などについて解説します。


リスキリングとは?

リスキリングとは、新しい職種に就くために、今の仕事とは異なる領域のスキルを学び、習得することです。リスキリングが必要とされる背景には、テクノロジーの急速な発達、またそれによって求められるスキルや仕事内容の変化などが挙げられます。世界経済フォーラムによる「仕事の未来レポート2023」では、2027年までに約23%の仕事が変化し、6,900万件の新たな仕事が生み出され、8,300万件の仕事が失われるだろうと予測されています。※1 このような予測があるなかで、成長領域へ移行したり、需要が増しているスキルを身に付けたりする必要性が高まっていることから、リスキリングが重要視されているのです。

リスキリングで学ぶ内容は人それぞれですが、この記事ではプログラミングにフォーカスし、プログラミング学習がおすすめといえる理由や、学ぶ際の注意点などについて解説していきます。


※1 出典:「仕事の未来レポート2023(The Future of Jobs Report 2023)」(The World Economic Forum)

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リスキリングにはプログラミングがおすすめの理由

ここからは、リスキリングにはプログラミング学習がおすすめといえる理由について解説していきます。

IT人材のニーズが高まっている

経済産業省の資料によると、IT業界はニーズの増加による市場の拡大が予想されており、2030年にはIT人材が40〜80万人の規模で不足する可能性があるということが示されています。IT人材のニーズが高まっている現状を踏まえると、ITスキルの1つであるプログラミングスキルは、学び直すスキルとしておすすめであるといえるでしょう。

また、経済産業省によって定められた「デジタルスキル標準」(DXに必要とされるスキル習得や、DXを推進する企業が専門的な知識を持つ人材を育成するための指針)では、「データ活用」の学習項目でプログラミング(基礎プログラミング、拡張プログラミング、アルゴリズム、分析プログラム、SQL)が挙げられています。このことからも、プログラミングスキルは重要なデジタルスキルの1つであるといえるでしょう。

さまざまな職種で汎用的に活用できる

プログラミングスキルは、システム開発に携わるエンジニアやプログラマーといったIT専門職以外の職種でも活用できます。

たとえば、Pythonというプログラミング言語は、データ分析や定型的な事務作業の自動化などに活用可能です。具体的には、営業職であればPythonを使って営業データを分析したり、マーケターであれば購買データの分析をしたりできるでしょう。

プログラミングはエンジニア職のみに必要なスキルというイメージがあるかもしれませんが、このように汎用的なスキルとして生かせるケースもあります。

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プログラミングを学ぶうえで知っておきたいこと

ここからは、プログラミングを学ぶうえで知っておきたいことをご紹介します。

プログラミング言語の種類

一言でプログラミングといっても、さまざまなプログラミング言語があり、言語によって難易度やできることが異なります。「学び始めたら想像していたのと違った」といったことがないように、事前に特徴を知っておきましょう。

ソフトウェア開発者にフォーカスした分析企業のRedMonkが発表した「プログラミング言語ランキング:2023年1月版」※2では、ソフトウェア開発のプラットフォームであるGitHub上で最も使用されている言語がランキング形式で紹介されています。ランキングに沿ってそれぞれ簡単にご紹介します。

1位:JavaScript
2位:Python
3位:Java
4位:PHP
5位:C#
6位:CSS
7位:TypeScript
7位:C++
9位:Ruby
10位:C言語

JavaScript

JavaScriptは、ブラウザ上で動作するプログラミング言語です。Webサイトのスライドショーやグラフの描画といった動的な機能を実装できます。Webサイトのみならず、アプリ開発など幅広い分野でも利用されています。学習のための開発環境も構築しやすく、初心者でも手軽に始められるのがメリットです。

Python

Pythonとは人工知能(AI)の開発やデータ分析といった広い分野で使われるプログラミング言語で、ExcelやWord、メールといった事務作業を自動化することもできます。Pythonは比較的シンプルで短い記述であることが特徴で、初心者でも始めやすい言語とされます。

Java

Javaも人気の高い言語です。Webサービスやスマホアプリ、業務システムなど幅広い分野の開発に使われています。プラットフォームに依存せず、一度書いたプログラムはOS環境を問わず動作が可能です。ただし、ほかの言語よりもコーディングに関するルールや制約などが多く、習得難易度は高い部類に入ります。

PHP

PHPは、サーバーサイドのプログラミング言語です。お問い合わせフォーム、ブログ、SNSなどの開発に使用されます。構文がシンプルで分かりやすいため、初心者でも比較的学びやすい言語です。

C#

C#はマイクロソフトが開発したプログラミング言語であり、文法はJavaと似ています。ゲームやシステム開発に用いられます。構文がJavaに似ており、プログラムの記述量も少なく、C++よりも難易度が低いといわれています。

CSS

CSSは、Webサイトの装飾やレイアウトを調整することができる言語です。Webページの文字の大きさや色、背景などを変更でき、ページの文書構造を定義するHTMLとセットで扱われます。

TypeScript

TypeScriptは、マイクロソフト社によって作られたJavaScriptの拡張言語です。TypeScriptを導入することでエラーチェックが容易となり、より安全なコードを記述することができます。また、エディタとの連携でコード補完が効き、開発効率も向上します。

C++

C++とは、C言語から発展したプログラミング言語であり、Webアプリケーションの開発やIoT技術の開発などさまざまな分野で使われています。コードの文法が複雑で、C言語の知識が前提として必要であることから、プログラミング未経験者にとっては難易度が高いといえるでしょう。

Ruby

Web開発で人気のあるRubyは、日本で開発されたプログラミング言語です。記述がシンプルで読みやすく、プログラミング未経験者にもおすすめの言語の1つです。日本で開発されただけに、日本語の情報が多く学習しやすいというのも特長です。

C言語

C言語は、1972年に開発された歴史の長いプログラミング言語であり、プログラミングを最初に学ぶ言語としてC言語を選ぶ人も少なくありません。汎用性が高く実行速度が高いという特長がありますが、記述が長くC言語特有の概念もあることから、難易度は比較的高めです。

※2 出典: 「The RedMonk Programming Language Rankings: January 2023」(RedMonk)

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目的別のおすすめ言語

プログラミング言語にはそれぞれ特徴があるため、目的によって相性のよい言語は異なります。以下では目的別に、どの言語がおすすめかご紹介します。

アプリ開発

iPhoneアプリの開発に必要な言語はSwiftです。SwiftはApple社によって作られたプログラミング言語で、初心者でも習得しやすい言語です。Androidアプリの開発ではJavaやKotlinがよく使われます。また、KotlinはGoogle社によってAndroidアプリの開発言語として公式認定されています。

Webサイト制作

Webサイト制作では、構文が比較的簡単で読みやすく書きやすいHTMLやPHPが使用されます。また、ポップアップウィンドウの表示やボタン動作の制御など、ページに動きを付けられるJavaScriptや、文字サイズや色、レイアウトの調整といったページの装飾をするためのCSSも欠かせない言語です。

ゲーム・ソフトウェアの開発

ゲームやソフトウェアの開発には、C#やC++、JavaScriptが多く使われています。C++は処理速度が速い一方、習得難易度は比較的高めです。プログラミング未経験者であれば、C#や汎用背の高いJavaScriptなどがおすすめでしょう。

AIや機械学習

AIや機械学習が目的であればPythonが多く選ばれています。Pythonには、ライブラリやフレームワークが豊富に備わっており、開発をスムーズに進められます。また、文法が比較的分かりやすいため、初心者でも習得しやすいでしょう。

転職に活かす

転職・フリーランスともに求人数が多いのがJavaやPHP、JavaScriptです。JavaはWeb開発やアプリ開発など、幅広い用途で使用でき、汎用性が高いことから求人数が多いプログラミング言語です。また、フレームワークが多く需要が安定しているPHPや、フロントエンドの開発で必須といえるほど使われるJavaScriptなども求人数が多いプログラミング言語といわれています。

プログラミングに必要なもの

次に、プログラミングに必要なものを解説していきます。

PC

まず必要なものとして挙げられるのはPCです。一般的な性能のPCで十分ですが、長く使うことを想定して、なるべく品質と信頼性の高いものを選ぶことをおすすめします。

インターネット環境

プログラミングにはインターネット環境も欠かせません。たとえば、プログラミングのツールやアプリをダウンロードしたり、アップデートしたり、プログラミング学習のWebサービスを活用したりなど、学習はインターネットを用いて進めます。そのため、回線速度の速いネット環境が用意できれば、ストレスなく、スムーズにプログラミング学習ができるでしょう。

開発環境

プログラミング学習のためには、各言語に応じた開発環境が必要です。具体的には、プログラムを実行するためのソフトウェアや、コードの記述に使用するテキストエディタなどが必要です。

リスキリングでプログラミングを学ぶ際の注意点

ここからは、リスキリングでプログラミングを学ぶ際の注意点について解説していきます。

目的・目標を明確にする

プログラミング言語はさまざまな種類があるため、目的に適した言語を選択する必要がある点に注意しましょう。Webサイトを開発したいのか、アプリを開発したいのか、機械学習モデルを開発したいのかなど、目的・目標を明確にしてプログラミングを学習することで、「想像以上に難しくて挫折した」「違うプログラミング言語を学習すればよかった」といった後悔を防げます。

学習計画やルールをつくる

プログラミングの基礎を習得し、実務に生かせるスキルを身に付けるまでには多くの時間を要します。そのため、長期的な学習計画を立てたり、学習のルールを作ったりするようにしましょう。学習目標を1週間単位や日単位で細かくしたり、学習のタイミングや手段にルールを作るのがおすすめです。

学習を継続できる工夫をする

忙しい社会人が、モチベーションを保ちながら新しいことを学ぶのは容易ではありません。そのため、学習を継続できる工夫をすることが重要です。たとえば、分からないことを質問できる環境を作ったり、身近な人やネット上などで一緒に学べる仲間を作ったりすると、学習のモチベーションを維持しやすくなるでしょう。

ただし、上記はあくまで一例で、工夫の仕方はさまざまです。プログラミング学習は短期的に習得できるものではないため、自分に合った方法で粘り強く学習を継続していきましょう。

3人のビジネスパーソン

リスキリングでプログラミングを学ぶ方法

ここからは、プログラミングを学ぶ方法をご紹介します。

無料の動画コンテンツで学ぶ

プログラミングを無料で学べるコンテンツは数多くあります。無料の動画コンテンツであれば、費用をかけずに好きなときに見返したり、復習したりできます。特に、プログラミングについて未経験で学習のイメージがつかない方は、まず無料の動画コンテンツを試してみるのがおすすめです。

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書籍で学ぶ

プログラミング関連の書籍を読んでプログラミングを学ぶのも1つの手です。書籍で勉強する際は、教材選びがポイントです。情報は新しいか、初心者でも理解しやすい内容かなど、自分に適した書籍を選んでくださいね。

アプリで学ぶ

プログラミングを学べるアプリもあります。アプリであれば、通勤中や通学中などの隙間時間に学ぶことができるため、気軽に学習することができるのが魅力です。

プログラミングスクールに通う

プログラミングを効率的に学ぶのであれば、プログラミングスクールに通うことも検討してみましょう。有料ではありますが、プロの講師から丁寧に解説してもらえるうえ、分からないことは直接質問できます。また、グループ講座であれば一緒に学ぶ仲間同士で知識を高め合い、モチベーションの維持を図ることもできるでしょう。

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リスキリングでプログラミングをマスターし、キャリアの選択肢を広げよう

ここまで、リスキリングにおけるプログラミング学習についてご紹介してきました。IT人材のニーズが高まっている現代社会において、重要なデジタルスキルであるプログラミングは今後より一層求められるようになるでしょう。

ただし、近年はChatGPTを筆頭に生成AIが浸透してきており、「コード生成AI」というコードを自動で生成してくれるツールが登場し始めているのも事実です。プログラマーとしてこれから先長く活躍するためには、こうした生成AIの動向も追いながら、AIができない高度なスキルを身に付けたり、AIを活用して効率的に仕事を進めることが重要です。

プログラミングは、言語によってはさまざまな職種で活用できるため、キャリアアップや転職の際にも役立ちます。プログラミング学習を通じて、キャリアの選択肢を広げませんか?

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この記事を監修した方

後藤 宗明

さん

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事 チーフ・リスキリング・オフィサー / SkyHive Technologies 日本代表

早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ銀行)入行。2002年、グローバル人材育成を行うスタートアップをNYにて起業。2011年、米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人設立に尽力。2021年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。日本全国にリスキリングの成果をもたらすべく、政府、自治体向けの政策提言および企業向けのリスキリング導入支援を行う。著書『自分のスキルをアップデートし続ける「リスキリング」』(日本能率協会マネジメントセンター)は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」イノベーター部門賞を受賞。2023年9月に続編『新しいスキルで自分の未来を創る「リスキリング実践編」』を上梓。

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