2024/05/14

ユーザビリティとは?定義やUI/UX、アクセシビリティとの違いについても詳しく解説

知っておきたいビジネス用語図鑑
#ビジネス用語

ユーザビリティとは、「ユーザーにとっての使いやすさ」を意味する言葉であり、主にWebサイトやアプリの操作性を評価する際に使われます。今回は、その定義やアクセシビリティとの違い、またユーザビリティの改善方法まで詳しく解説します。

目次

ユーザビリティとは?

ユーザビリティ(Usability)とは、「Use(使う)」と「Ability(能力)」をかけ合わせた造語で、「使いやすさ」「有用性」などの意味で使われることが一般的です。パソコンやスマホが普及し、誰もがWebサイトやアプリで情報を収集するようになったことで、ユーザビリティの重要性が増しています。

ユーザビリティという言葉を聞いたことがあるという方は多いと思いますが、実は明確な定義があることをご存じでしょうか?ここからは、ユーザビリティの代表的な2つの定義についてご紹介します。

「ISO 9241-11」規格の定義

広く一般的に認識されているユーザビリティの定義は、国際規格を策定している組織であるISO(国際標準化機構)によって策定されたもので、ISOでは下記の通りユーザビリティを定義しています。

usability extent to which a system, product or service can be used by specified users to achieve specified goals with effectiveness, efficiency and satisfaction in a specified context of use
(特定のユーザーが特定の目標を達成するためにシステム、製品またはサービスを利用する際の、有効性、効率性そして満足度の度合いのこと)

上記の定義にある通り、ユーザビリティは以下3項目を満たすことが重要です。

  • 有効性(目標達成のための正確性や完全性)
  • 効率性(目標達成にかかった労力やコスト)
  • 満足度の度合い(ユーザーのニーズをどの程度満たせるか)

ヤコブ・ニールセン氏の定義

もう1つの定義は、ユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセン氏によるものです。彼は自身の著書で、ユーザビリティの指標には以下5つの特性があると述べています。

  • Learnability(学習のしやすさ)
  • Efficiency(効率性)
  • Memorability(記憶のしやすさ)
  • Errors(エラーの発生頻度やその影響度)
  • Satisfaction(ユーザー視点による満足度)


2つの定義から、ユーザビリティにおける使いやすさとは、「ユーザーが目的を最小限の労力で達成できること」を重視していることが分かるでしょう。

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UI/UXとの関係性・違い

ユーザビリティと関連した用語として、UIやUXがあります。今回はUIとUXについて、それぞれの意味や関連する職種についてご紹介します。

UI/UXとは?

UIとは、User Interface(ユーザーインターフェース)の略で、ユーザーが情報をやり取りする機器や装置のことです。UIにはマウスやキーボードも含まれますが、Web業界では一般的にWeb上のボタンやメニューなど、ユーザーが画面上で見たり触れたりするもの全てをUIと呼びます。ユーザーが目的の情報にたどり着きやすくするためには、このUIを工夫することが大切です。

一方、UXはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、ユーザーがWebサイトや製品を使う過程で得られる総合的な体験を指す言葉です。よって、ユザビリティが高ければ、UXを向上させることができます。

上記を踏まえると、ECショップサイトであれば、購入ページに遷移できるボタンがUI、購入ページへのアクセスが誰にとっても分かりやすいことがユーザビリティ、そしてこの全体の流れから得られたユーザーの体験をUXといいます。

UI/UXデザイナーとは?

UI/UXデザイナーとは、ユーザーが使いやすいUIを通じて、よりよいユーザーの体験をデザインする仕事のことです。経済産業省が定義するDX推進スキル標準の人材類型に、デザイナーがありますが、このなかのロールにはUI/UXデザイナーも含まれています。UI/UXデザイナーは、サービスを通じてユーザー体験を向上させることを最終目的とするため、Webサイトの構築やデザインを主たる業務としているWebデザイナーとは異なります。

日本においてUI/UXという概念を浸透させた一人である土屋尚史さんのインタビューも記事も紹介しています。

土屋尚史さんのインタビュー記事はこちら

PCで仕事をするビジネスパーソン

アクセシビリティとの違い

ユーザビリティと似ている言葉に、アクセシビリティがあります。どちらも「使いやすさ」という意味は共通していますが、ユーザビリティは「想定された特定のユーザー」をターゲットとしているのに対し、アクセシビリティは「全てのユーザー」をターゲットとし、誰もが平等に情報やサービスにアクセスできることを目指しています。

例としては、目が見えない方のことを考え、文字や画像を読み上げる機能が備わったWebサイトや、体が不自由な方でも音声入力ができる電子機器などは、アクセシビリティが高いといえます。

ユーザビリティの重要性

ここまで、ユーザビリティの定義やUI/UXの意味、アクセシビリティとの違いについて見てきました。ユーザビリティは、Webサイトやアプリなどユーザーが自ら能動的に情報を集めるプル型メディアが一般化したことによって重要度を増しています。

ユーザビリティが低いということは、ユーザーが欲しい情報にたどり着けなかったり、たどり着くのに時間がかかったりすることを意味します。つまり、ユーザビリティが低いということは、サイトであれば訪問したユーザーの離脱率が上がり、サービスであれば解約や低評価につながりかねません。

ユーザビリティを高めることは、サービスの価値を伝え、購入につなげ、満足してもらうために重要なのです。また、ユーザビリティの高いコンテンツを制作することは、自然検索でサイトの順位を上げるためのSEO対策としても非常に有効です。

このように、ユーザビリティの向上は企業にとって不可欠です。では、ユーザビリティを向上させるには何をすればよいのでしょうか?ここからは、ユーザビリティの改善方法についてご説明します。

会議をするビジネスパーソン

ユーザビリティを改善するには?

ユーザビリティを改善するためには、「現状のサービスやサイトにどのような課題があるのか」「ユーザーが快適に使うためにボトルネックとなっているポイントはどこか」といったことを調査し分析することが重要です。分析する際は、数字で表すことのできる定量的なデータに加え、明確に数値で測ることが難しい定性的な部分も調査・分析するようにしましょう。今回は、具体的なユーザビリティの改善方法について、項目別に詳しく解説します。

ターゲットを明確にする

先述の通り、アクセシビリティとは違いユーザビリティが目指すのは特定のターゲットに対しての使いやすさです。そのため、いかにターゲットを明確に設定できるかが重要になります。マーケティング用語の1つに、「ペルソナ」という言葉がありますが、これはターゲットとして狙う架空の具体的なユーザー像のことです。ペルソナの設定では、あたかも実在するように、年齢や性別・職業・趣味などを具体的に決めていきます。ペルソナを決めることで、「誰にとって使いやすくするのか」がより鮮明になり、ユーザビリティの改善につながりやすくなります。

アクセス解析ツールでユーザーの行動を読み解く

Google Analytics(グーグルアナリティクス)や、ヒートマップといったアクセス解析ツールを使い、サイト上でのユーザーの動きを分析しましょう。アクセス解析ツールは定量データをさまざまな視点から見ることができるので、データに基づき仮説を立て、実行し、検証を繰り返しましょう。たとえば、下記のように仮説を立て、それに基づいたアクションを起こします。

<例>
LP(ランディングページ)への訪問数は多いが、購入ページへの遷移率が悪い
→仮説:購入ページへ遷移するボタンが分かりにくいのではないか
→アクション:ボタンのデザインを目立つものに改修したり、ボタンの位置を見直したりする

<例>
ECショップのサイトで、ボタンではない「SALE」の画像が頻繫にクリックされていた
→仮説:SALE商品のページを見たいが、どこから遷移できるか分からないユーザーが多いのではないか
→アクション:メインページにSALE商品のページへ遷移できるボタンを分かりやすい位置に設置する

アクセス解析ツールのよい点は、データで分析できるところです。確かな事実からユーザーの心理を読み解くことで、ユーザビリティの改善につながるでしょう。

分析するビジネスパーソン

ユーザビリティテストから読み解く

ユーザビリティテストとは、実際にサービスをユーザーに使ってもらうことで、問題点を見つけ出し、ユーザビリティの改善に活かす方法です。ユーザビリティテストの方法は、主に対面型・リモート型・簡易型の3つがあります。それぞれ違った特徴があるため、目的や状況によって使い分けることが一般的です。対面型は日程の調整や場所の確保など手間はかかりますが、実際に被験者の様子を観察できるため、リモートより得られる情報量が多く、深い分析やさまざまな角度からの分析ができます。たとえば、大規模なサイト改修を実施するケースや、時間に余裕がある場合は、対面型で複数人の被験者にテストを実施し、テスト中の発言内容からサイトを評価することが望ましいでしょう。

ヒューリスティック評価を実施する

ヒューリスティック評価とは、UI/UXの専門家が経験則に基づいてアプリやサービスを評価し、問題点を見つける方法のことです。先ほどご説明したユーザビリティテストと違い、一般人ではなく専門家が評価するため、見落としがちな問題やより専門的な視点での改善点に気付くことができるというメリットがあります。

ユーザビリティを理解し仕事に活かそう!

これまで、ユーザビリティの重要性やその改善方法について解説してきました。ユーザビリティは、企業の収益に大きく関わり得るため、細心の注意を払う必要があります。昨今、経済産業省がUI/UXデザイナーをDX推進スキル標準の人材類型のロールとして定義しているように、今後この領域の職種は需要が高まるでしょう。ユーザビリティの知識を身に付けることで、キャリアの選択肢を広げましょう!

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