2024/04/25

専門性とは?その必要性や高めるためのコツについて解説

はたらくを考えるヒント
#リスキリング#キャリア形成

専門性とは、特定の分野においての高度な知識や経験が求められること、またはそのレベルのことです。この記事では、近年ビジネスの場において専門性が重視されている理由や、専門性を高めるためのコツについてご紹介します。


目次

専門性とは

専門性とは、特定の分野において、高度な知識や経験が求められること、またはそのレベルを意味する言葉です。また、専門性が高い人のことを、専門家やスペシャリストと呼ぶこともあります。

テクノロジーの進化により、ビジネス環境はより高度化し、企業間の競争も激しくなっています。そのような状況を踏まえ、より専門性が高い人材を採用したり、専門性を高めるための人材育成に力を入れる企業もあります。そのため、専門性を磨いておくことで、ビジネスの第一線で活躍し続けられる可能性が高まるとともに、理想のキャリアにもつながりやすくなるでしょう。

また、新しい知識やスキルの獲得という点で、リスキリングが注目されています。以下の記事でリスキリングやリカレント教育について詳しくご紹介しているので、併せて参考にしてみてください。

専門性が重要視される背景

先述したように、近年は専門性を有する人材の需要が高まっているため、専門性を磨くことは理想のキャリアを築くうえで大切です。こうした専門性を重視する風潮が高まった背景の1つには、ジョブ型雇用への注目があります。ジョブ型雇用とは、採用の際にあらかじめ職務内容を明確にし、その職務に適したスキルや経験のある人材を採用する手法です。従来の日本企業では、このジョブ型雇用と対極のメンバーシップ型雇用を長年にわたって行ってきました。メンバーシップ型雇用とは、いわゆる新卒の大量採用のような、職務内容を限定せずに求人する雇用制度のことです。

近年、急速にジョブ型雇用への注目が高まってきている主な理由として、グローバル化が進んでいるなかで、日本の国際競争力が伸び悩んでいることが挙げられます。実際、スイスのビジネススクール「国際経営開発研究所 (IMD)」の「世界デジタル競争力ランキング2023」によると、日本は世界64カ国のうち32位と過去最低の順位となりました。※1

この状況を打破するためには、優れた専門性を持つ人材の育成が重要であるといわれています。

特に、ITの分野では人材市場の流動性が高まっていることを受けて、こうした専門性のある人材を採用しようとする動きが顕著です。専門性の高い人材の採用には、職務内容に沿った人材を当初から採用するジョブ型雇用のほうが、メンバーシップ型雇用よりも適しています。そのため、近年の日本では、ジョブ型雇用を採用する会社が少しずつ増えてきているのです。
※1 出典:「World Competitiveness Ranking 2023」(IMD Business School)

ビジネスパーソンとカレンダー

専門性を高めるために大切な自己学習

ここまで、キャリアにおける専門性の大切さや、専門性が重視されるようになった背景についてご紹介してきました。では、一体どのようにすれば、専門性を高めることができるのでしょうか?

専門性を高めるには、普段の業務を通じて知識やスキルを身に付けるだけではなく、自己学習を行うことが大切です。なぜなら、専門的な知識やスキルのなかには、限られた業務内の時間だけではなかなか身に付けにくいものもあるためです。

そうした知識やスキルの習得をする際に、自己学習は大きな力を発揮します。自己学習を行う際は、インプットとアウトプットを繰り返すことで、学んだ知識やスキルを体系化していくことがポイントです。以下では、インプットの仕方や学びを体系化する方法についてご紹介していきます。

インプットする

知識やスキルをインプットする主な方法としては以下が挙げられます。

  • 書籍を読む
  • 無料の動画コンテンツを視聴する
  • 各種学習サービスを利用する
  • セミナーに参加する
  • 専門家のSNSアカウントをフォローして発言を拾う など


ぜひ、上記の方法を参考にして、自分が極めたい領域の情報や知識を積極的に増やしていきましょう。しかし、なかには、プログラミングスキルのような独学で習得するにはややハードルが高い専門知識やスキルもあります。そういった分野を学習する際は、上記でご紹介した方法のうち、「学習サービスの利用」がおすすめです。

また、動画コンテンツであれば、隙間時間を使って視聴することが可能なため、普段の業務が忙しくなかなかまとまった学習時間が確保できないという方にも向いているでしょう。何から始めればよいかわからないという方には、『PERSOL MIRAIZ』の学習コースがおすすめです。キャリアの選択肢を広げるオリジナルコースを無料でご提供しています。※ご利用には無料登録が必要です。

PERSOL MIRAIZの詳細はこちら

パソコンで自己学習をするビジネスパーソン

知識を体系化する

せっかくインプットした知識も、その内容がきちんと定着していなければ、なかなかアウトプットに結びつけられません。そこで、知識を体系化し、整理することで、学んだ知識を定着させることが大切です。また、体系化し、知識同士の関連性をひも付けておけば、これまでの学びを総合的にかけ合わせた応用的実践も可能になるでしょう。

知識を体系化する際には、図を使用した思考整理を行うのがおすすめです。学んだ知識をいきなり頭の中で体系化するのは難易度が高いですが、図を用いれば知識同士の関連性を視覚的に把握しながら整理することができます。以下に、思考整理の際に用いられることの多い図について、それぞれご紹介していきます。

ツリー図

ツリー図とは、ある問題やテーマに対して、その原因や構成要素を枝葉上に分解していく図のことです。

ツリー図

フロー図(フローチャート)

フロー図(フローチャート)とは、ツリー図に時間軸や前後のプロセスの関係性などを追加した図です。マーケティングにおいて、よく用いられるカスタマージャーニーもフロー図の一種といえます。

フロー図(フローチャート)

マトリクス図

マトリクス図とは、項目や評価軸が縦と横に分断された図のことを指します。マトリクス図にはいくつか種類がありますが、4象限型やマッピング型、表型などが代表的です。

マトリクス図

リスト図

リスト図とは、項目を箇条書きにした図のことです。上記で紹介したような図をいきなり作成するのが難しいという方は、まずはリスト図を用いて、関連性のありそうな要素を書き出してみるとよいでしょう。

リスト図

上記でご紹介した以外にも、さまざまな図の形式が存在するため、自身の整理したい知識の内容や目的に沿って、図を使い分けながら知識の体系化を行ってみてください。

学び続ける

現在は「VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代」と称されるように、あらゆる分野で日々目まぐるしい変化が起きており、一度身に付けた知識やスキルがいつまでも役立つとは限りません。だからこそ、日々学び続けることが大切です。専門性を高めるためには常に最新情報を追いかけ、知識をアップデートしていく姿勢も重要です。

専門性と汎用性のバランスが大切

ここまで、専門性を高める重要性について強調してきましたが、ビジネスの場で活躍する人材になるためには、職種ごとに求められる専門的なスキル(テクニカルスキル)だけでなく、ポータブルスキル・ソフトスキルと呼ばれる、汎用性の高いスキルを習得することも重要です。

<ポータブルスキルの例>

  • コミュニケーション能力
  • マネジメント能力
  • 思考力
  • 情報収集力
  • スケジュール・進捗管理能力
  • 交渉力
  • プレゼン力


ポータブルスキルやソフトスキルの具体例として、コミュニケーションスキルが挙げられます。ビジネスは、社内外問わずさまざまな立場・役割の人々と関わる機会が多いため、良好な人間関係を築き、仕事を円滑に進めるためにコミュニケーションスキルは必須です。またキャリアを積んでいけば、いずれは管理職に就く可能性も高いことを踏まえると、マネジメントスキルもあらゆる職種で役立つでしょう。

ポータブルスキルやソフトスキルは、職種・役職問わず、どのような業務を遂行する際も共通して必要となる能力であり、いわば社会人としての土台となります。土台がもろければ、いくらその上に専門的なスキルを積み上げたとしても、十分に活かすことができません。そこで、専門的なスキルを鍛える前にまずは一度、自身のポータブルスキル・ソフトスキルに不足しているものはないか見直すようにしましょう。ポータブルスキルやソフトスキルについてもっと詳しく知りたいという方はぜひ以下の記事をご参照ください。

スキルを身に付け、キャリアの選択肢を広げよう!

ここまで、専門性とは何かにはじまり、専門性を高めるには自己学習が重要であることなどについてご紹介してきました。また、併せて、ポータブルスキル・ソフトスキルと呼ばれる汎用性の高いスキルの重要性についてもご紹介しましたが、専門性の高いスキルと汎用性の高いスキル、どちらの習得においても、学び続ける姿勢が大切です。

これからの時代、グローバル化の進行や技術の発展に伴い、ビジネス環境はより一層激しく変化し、求められるスキルや需要の高い職種も変わっていくことが予想されます。実際、世界経済フォーラムによる「仕事の未来レポート2023」では、「2027年までに約23%の仕事が変化し、6,900万件の新たな仕事が創出され、8,300万件の仕事が失われる」と予測されています。※2 

このような時代の到来が予測されるなかで、自身の理想のキャリアを描くためには、常に学び続け、スキルを身に付けることが大切です。社会の変化に振り回されることなく、今後も、自身の仕事をより充実したものにできるよう、ぜひ前向きにリスキリングやスキルアップに取り組んでみてください。

※2 出典:「仕事の未来レポート2023(The Future of Jobs Report 2023)」(The World Economic Forum)

無料のリスキングサービス『PERSOL MIRAIZ』

『PERSOL MIRAIZ』は、はたらくすべての人が利用できる無料のリスキリングサービスです。本来は高額なスキルの学習やキャリアカウンセリングを、誰でも気軽に始められます。

PERSOL MIRAIZの詳細はこちら

特長1:スキルの習得ができる学習コース

  • 無料で利用できる
  • 業界大手企業や著名人が提供・監修
  • DXやマーケティング、エンジニアリングの領域が充実

特長2:プロが併走するキャリア相談

  • 無料で利用できる(1時間のカウンセリング、30分の学習相談がそれぞれ5回)
  • どんな職種や年代でもOK、話すことが整理しきれてなくてもOK
  • 求人紹介はしない、転職ありきではないカウンセリング

特長3:身に付けたスキルが転職につながる

  • PERSOL MIRAIZで身に付けたスキルをもとに、パーソルキャリアが運営するdodaが転職まで伴走
  • 急に求人を勧めたり、無理に転職を促したりすることはないので安心


PERSOL MIRAIZの詳細はこちら

この記事を監修した方

後藤 宗明

さん

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事 チーフ・リスキリング・オフィサー / SkyHive Technologies 日本代表

早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ銀行)入行。2002年、グローバル人材育成を行うスタートアップをNYにて起業。2011年、米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人設立に尽力。2021年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。日本全国にリスキリングの成果をもたらすべく、政府、自治体向けの政策提言および企業向けのリスキリング導入支援を行う。著書『自分のスキルをアップデートし続ける「リスキリング」』(日本能率協会マネジメントセンター)は「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」イノベーター部門賞を受賞。2023年9月に続編『新しいスキルで自分の未来を創る「リスキリング実践編」』を上梓。

SNS・メディア

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?定義や具体的な事例について解説

前の記事を読む

仕事のやる気が出ないのはなぜ?その原因や対処法を解説!

次の記事を読む
この記事をシェア

ハッシュタグから記事を探す

カテゴリから記事を探す

トップランナーおすすめの良書

トップランナーが見た動画

インタビュー・対談

PERSOL MIRAIZのリスキリングコンテンツ

実践型クラス

トップランナーと学ぶ・作る・出会う - あなたのキャリアを前進させる無料クラスとイベント

キャリアに活かせる学習動画

トップランナーから、仕事に直結するスキルを学ぶ

あなたが興味のありそうな記事

トップランナーのマインドや学習方法を知り、キャリアを成長させる